2021.8.3

日本 VS スペイン

0−1(アセンシオ)

 

〜この世代で「世界のトップチームでレギュラークラス」という意味

日本は本当によく戦ったが、トーナメントを勝ち抜く選手層はなかった

 

先発は林1トップ

久保に堂安 左に旗手を置いてきた。

ボランチから後ろはほぼ不動

田中、遠藤に酒井中山のSB

冨安の出場停止のところは板倉が入った。

 

スペインがボールを長く持つものの、ワンタッチで抜け出したシーンを谷が止めたシーン以外は、

実は危ないシーンは多くはなかった。

その理由として、林がファーストDFにいって、旗手、堂安が

空いたスペースを埋める献身的な守備を見せたこと。

 

特に旗手は素晴らしい攻守の「がんばり」が目立った。

その上でめちゃくちゃ上手い。

トラップや体の向き、置き方など一つ一つが丁寧で

しっかりとプレーしている姿が素晴らしく印象に残った。

 

後ろからのビルドアップに息苦しくなったスペインは

オヤルサバルあたりの強さを軸に簡単に攻めようとするが、

そこは吉田が鬼神の如き強さを発揮。

まさに日本の壁として、クロスに、ハイボールに勝ち続けた。

 

林も、今日は納めるだけでなく反転して前に行く意識が高い。

抜け出して、体を当てて取らせずシュートを打ち切ったシーンは秀逸だった。

オフサイドになったが、そこは紙一重。

ただ枠には飛ばしたかった。

 

 

前半の中山のクロスに遠藤が飛び込んだシーンがこちら。

こういったところでも林はファーにDFを引っ張っており、

中盤が持てば必ず裏を狙う動きは(オフサイドばかり!という批判はともかく)

相手DFにとってこの上なく嫌な動きであり、正直面倒な相手であり、厄介な選手だったろう。

 

だからこそ、後半、旗手が上手く納めてフリーでPA外から打ったシーンなども含めて

一本沈めたかった。

 

結局はFWの評価は点に行き着くのは仕方ない。

そこを決め切るものは世界に飛び出す。

林の評価は上がったのは間違いないが、そこは冷静に見られてると思う。

 

 

後半、相馬、上田を投入したあたりから、スペインが圧倒的にボールを握る。

林が抜けたことで、ビルドアップが容易になり中央に縦に通りやすくなった。

 

そこを締めたのが遠藤であり、吉田。

そして板倉がこの試合中にもどんどん成長!

すばらしいシュートブロックを見せた。

 

じゃあ、、ということで右に引っ張ってククレジャを使おうという

サイドを攻略しようとしたスペインに立ち塞がったのが、酒井。

 

彼もまた、素晴らしい間合いで相手にプレーさせず、終始完璧な守りを見せた

 

 

守りについては、酒井、吉田、板倉、中山、と歴代に類を見ない強さ、高さを備えた4人となり、

スペインに中央だけはやらせない。

 

谷の安定もあり、守備は安定したものの、

点は取れそうな気配がない。

 

このレベルの中で、それでも突き抜けた何かを見せたのはやはり久保だけだった。

彼が幾度か見せた縦の突破は、囲まれていても、前を塞がれていても、

最後は危険な香りを感じさせるものであり、久保のすごさは際立った。

 

90分を経て決着がつかなかった試合は

延長へ

 

 

前田と三好を投入してスピードも含めて一差しを狙った日本だったが

前田は多少チャンスを作り出したものの、決定機には繋がらず。

相馬も幾度がいい突破からクロスを上げたがつながらず。

 

 

そんな中、途中出場した「アセンシオ」

レアルマドリーのレギュラーという意味をワンプレーで示す。

 

彼が入ることでより両サイドをワイドに使いはじめたスペイン。

オヤルサバルが右深くに開いてアセンシオへ。

カットインからワンステップで放ったシュートは

この日全ての空中のボールを的確に処理し続けた

GK谷の手の届かない完璧なコースを切り裂いてサイドネットへ。

 

延長後半残りわずかというタイミングで訪れた先制点。

 

それでも吉田を前にあげ、相馬が縦に突破し、何かを起こそうと戦い続けた日本

 

この姿は日本中に勇気を与えただろう

この敗戦を笑うものは一人もいない

 

誰もが戦い続けた結果

 

あのスペインが1点取ったあと

必死にコーナーで時間を使い、

カウンターのチャンスでも攻めずに時間を使うことを選択し、

必死の形相で日本に勝ちに来た。

 

それは決して余裕の勝利ではなく、

どちらに転ぶか分からない試合だった、とう事の証だ。

 

 

これは誇るべき敗戦である。

と同時に、このレベルで「決め切る選手が少ない」という課題も突きつけられた。

 

 

あと少しまで追い込んだ。

 

そのあと少しはまだまだ遠かった。

悔しい悔しい敗戦の3日後にはもう3位決定戦がある。

 

 

 

あの時と同じメキシコ戦

メダルを掴む戦いはまだ終わっていない。

 

あと1つ。

 

本当に苦しいだろうががんばれ日本!