2021.3.29
U-24 日本 対 アルゼンチン
3−0(林、板倉x2)
日本の素晴らしい勝利
[0.5秒の我慢]が生んだ効果。
===スタメン===
FW 林
MF 相馬 食野 久保
DH 田中 板倉
DF 古賀 町田 瀬古 原
GK 谷
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日本は9人を入れ替えたものの、アルゼンチンの激しい当たりをチームで克服。
一歩も引かない強さを見せることで、局面で後手にならずに済んだ。
つまり技術云々の前に、戦える選手であることが、世界との戦いでは必要、ということだ。
この日は、両SBに強さのある選手を起用。
古賀は細かいミスを減点材料にする人もいるかも知れないが、このレベルで当たり負けせずに居てくれるSBがいるメリットは果てしなく大きい。
ビルドアップの局面でも、居てほしいところに居てくれた。
また、右の原は前への強いパスも起点となっていた。
こちらも強さで引けを取らない。
さらに中盤に配置された板倉がようやく本領発揮。
潰し役に徹し、田中碧のプレーするスペースを作った。
そして、何よりも1トップに起用された林大地に触れなければならない。
彼が果たした貢献は間違いなくこの試合のMVPだった。
それは0.5秒の我慢
アバウトなボールをアルゼンチン選手と競る時
彼がすぐには取られず、我慢して頑張って身体を張って時間を作る。
大迫のようにスムーズに繋げれたわけではない。
Jリーグのように体の強さだけで抜け出すシーンはなかったかも知れない。
それでも彼が前線で作ったその0.5秒のお陰で、日本の中盤は押し上げ、セカンドボールを拾い、攻撃を続けることができた。
日本の技術の粋を集めたような久保にとっては、
0.5秒あれば十分だった。
林が潰れ、久保が拾って前をむく。
その時には久保は周りを把握し、次の次のプレーを始めていた。
今日の久保は別格の出来だった。
それはCKからのアシストではなく、プレーの選択、判断の速さによる。
途中で交代した三好や田川との違いはそこにあった。
彼らが悪いわけではないが、プレーの種類の違いがある。
それが世界で発揮できるか、出来ないかの違いになることもある。
林大地は間違いなく世界向きの選手だ。
決して速くも上手くもない。
田中のロングパスを収めれなかったのは、彼の技術不足かも知れない。
それでも2度目の瀬古のボールにも迷いなく反応し、しっかりと収めて、縦に突破して決め切った。
これはJでもよく見るシーンだった。
つまり、林の能力や技術はカテゴリが変わっても変わらず発揮できることを意味する。
これだけの強度、プレッシャーの中でも変わらずに発揮できる。
プレッシャーが無ければ100点だが、プレッシャーがあれば50点の選手より、常に70−80点の力を発揮できる選手の方が世界向きだと思う。
そんな世界への挑戦状を得た林。
これからの活躍に期待したい。
===選手評===
GK 谷 良き
落ち着きと判断が良く、ピンチにも動じなかった。
また後ろで食いつかせからの展開も度胸満点。
DF
古賀 良き
評価が割れるのだろうが、個人的には高評価。
彼の強度と、気の利いたポジショニング。
SBとしてしっかりとプレーできることを証明
瀬古 良き
スムーズなビルドアップに当たり負けしない強さ。
先制点につながる林への見事なロングパス。
アルゼンチン相手に戦えることを証明
町田 良き
瀬古と同じくしっかりとしたぶつかり合いに応戦。
左足でのパスも精度良く。
原 極上
間違いなくDF陣では最も良かった。
当たりの強さ、高さに加えて機動力もある。
その上で、起点となる鋭い縦パスを通した。
パワーがあるので、無理がきくパス出しは攻撃を加速させた。
DH
板倉 良き
2得点は出来過ぎだが、圧勝に華を添えた。
中盤の潰し役として機能。
CBとしては少し頼りなかったが、中盤では及第点以上。
田中 極上
極めてMVPに近い出来だが、周囲の配置が良かった面もある。
逆に彼をフリーにすればこれだけのパスが出せる、という事でもある。
フリーといっても誰にいないわけではない。
彼にとっては0.5秒あれば周囲の確認、良いパス出しができる、
という技術の高さを見せつけた。
彼にとっての0.5秒を生み出したのは板倉だった。
MF
相馬 良き
若干のトラップミスや技術ミスは散見。
それでも仕掛ける時に縦か中か読ませない仕掛けでチャンスを演出。
あとは最後の選択の質を上げれば間違いなく武器になる。
ポジティブな発見の一人。
食野 及第点
久保の出来が良すぎたため彼の動きを補佐することになった。
それでもしっかりとプレーし、強度、質ともに高いことを証明。
久保 極上
圧巻の試合を披露。
技術の高さと判断のよさ、周囲が見えてるが故のプレーの速さ。
アルゼンチンにスピードで優っていたのは久保だけだった。
彼にとっての0.5秒を生み出したのは 林 だった。
林の存在をやりやすい、と言ったのはリップサービスではないだろう。
前を向いて、0.5秒あれば久保ならばアルゼンチン相手にも決定機を作れる。
自らの価値を証明した。
CKはオマケとはいえ、その精度も見事。
FW
林 極上
今日の勝利の立役者。間違いなくMVP。
彼の先制点が無ければ結局は苦戦しただろう。
抜け出しに諦めないプレス。
久保や食野の判断の速さに付いていくのがやっとの時もあったが、
決してプレーをやめず、体を張ってボールにくらいついた。
その働きが周囲に0.5秒の余裕を作り、たとえボールがこぼれたとしても、味方が拾う余地を作った。
見えない貢献含めて、本当に貢献度は高かった。
その上での先制点は極上の価値がある。
永井を擁してスペインを苦しめた再現も可能だろう。
前線でこれだけ手と身体を使える選手が日本に居たことはアルゼンチンも誤算だろう。
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三好 がんばれ!
結局は当たり負けすることで技術を発揮できない。
判断スピードを上げるか、強くなるか。
田川 がんばれ!
抜け出しのスピードは脅威だが、それ一本では苦しい。
林が去ったあと、日本がキープ出来なくなったのは偶然ではない。
中野 及第点
プレー時間は短く評価は難しいものの、溢れ球を拾うポジションのセンス
相手への寄せも含めて、全く遜色はないと感じる。
もう少し長く見てみたい選手だ。
三笘 がんばれ!
時間は短かったが、焦りからか判断が悪く黄色まで。
技術は間違いないし、彼のようなドリブラーが、そのまま世界で通用する姿を見てみたい。折れずに頑張って欲しい。
旗手 及第点
SBとは打って変わって良い働き。
前への推進力も見せた。やはり彼は前の選手。
渡辺 ー
時間短く。
間違いなく「サガン鳥栖」の名前が代表の歴史に刻まれた日となった。
《サガン鳥栖:林大地》のゴール
僕はこの日を忘れない。