2021.3.14
サガン鳥栖 対 清水エスパルス
0-0
試合レビュー
～強度の高い戦い。それでも鳥栖が自力で押し込んだ、という事実
先発
鳥栖は前節と変わらないスタメン
しかし前プレの形が違う。
あくまでも山下、林の2枚で追う形。
対する清水も2枚で追う。
前線の外国人2人は強さもあって、清水は後ろからも簡単に蹴ってくる。
鳥栖のビルドアップは最初から2枚で回す。
攻撃的にふるまいつつ、松岡、仙頭を下げてバランスをとる。
こんなところを狙おうとしていた。
していた、と過去形なのは、こうならなかったから。
実際にはこうなった。
中山のタスクが異常。
守るときには、原も下がって5バックも厭わない。
こんな形でいつまでも崩れない清水。
対する鳥栖も形としては崩れないものの、
サンタナあたりにキープされたりしたら少し怖いカウンターは受けいた。
あくまでも
・繋いで、崩す形を狙う鳥栖
・ビルドアップで引っかかると清水のターン
・繋いで押し込んだら、清水はしっかり引いて跳ね返す
という流れになった。
鳥栖が崩せそうな形を作ったのは前半最後らへん。
ヒントは 「一人飛ばすパス」
しっかりハマった形の中で、仙頭が降りてきて、一気に一人飛ばすパスを通した。
そこに食いついた原の裏
アウグストの1人アンカーの脇を樋口が付いて攻撃を仕掛けた。
最後は林のシュートが浮いてしまったがこれは大きなヒントとなった。
前半はオフサイドになった清水の前プレカットからのシュートと、
樋口のミドルくらいが見せ場だった。
しかし後半清水がより明確に簡単に前に蹴ってきた。
FWのタスク多すぎ問題は、次々と交代する事で乗り切った清水。
走行距離が半端ない。
セットプレーでもチャンスを作ったのは鳥栖。
清水が早めに蹴って、強いFWが押し込もうとする
鳥栖の一番苦手な形を取ろうとしたのに、
跳ね返したのは鳥栖。
前半最後のようなシーンを、相手の陣地で敢行するようになる。
仙頭が少し位置を上げた事で、清水を惑わし、
一人飛ばすパスで崩しにかかる。
しかしその仙頭のアウトサイドシュートは権田。
ヘディングも権田。
権田からポストが多すぎ。。。
双方メンバーを交代しながら本田や酒井で最後の崩しを狙うも
ゴールは割れず。
引き分けの要因は2つ。
・これまでの試合より強度が高かった。
⇒鳥栖がいいプレスして取れそう、ってところでも
ちょっと我慢されたり、キープされたりした。
その時間を作られた事が相手を圧倒出来なかった理由
・全部はめる3枚プレスはしなかった。
⇒これは日程の問題もあるかもしれない。
ホームではハメるけど、アウェーではもう少しのリスク管理をしているかも。
また中２日で柏戦もある。
圧倒する攻撃は出来なかったが、幾度も見せ場は作り、
あと少しの運さえあれば勝てた。
しかしロティーナ＆権田の清水は堅かった。
この清水相手にアウェー引き分けは十分だろう。
内容としても悪くなかった。
セットプレーから点が決まり出せばさらに期待は持てる。
まずは無失点、無敗が続いた事をほめたい。
選手評
- 極上
樋口 後半、特に後ろに引きながらチームを操る様はまさにマエストロ。
10番の風格すら感じた。
惜しいシュートはあったものの決め切る存在になれば。
しかし苦しい試合をひっくり返した意味は大きいと思う。
仙頭 前半は様子を見ながら後半は前に位置して、全ての起点となった。
彼の振るうタスクが鳥栖の行先を決めていた。
しかしいちいち上手い上に、相手の急所を突いてくる。
素晴らしい選手エドゥアルド 結局彼を選ばないと行けない。強さ高さのあるFW相手に引かずに戦えた事の意味は大きい。これまで苦手としていたやり方をされたのに、盤面をひっくり返した。
パギ エドゥアルドと同様。この盤面をひっくり返せたのは彼の功績も大きい。
守備面でも権田とGK対決を披露。どっちも引かずゴールを割らせなかった。
- 良い
松岡 中盤を優位に保てた要因となった。強度と貢献の質と量が半端ない。
もはや彼なしでは成り立たないかもしれない。
それほど重要な働きだった。
山下 彼がしっかりと前線で戦う事で生まれるメリットは果てしない。
その上でヘディングのミートもうまく、あと少しでゴールのシーンも作り出した。
権田でさえなければ。及第点
飯野 得意の縦の突破は原に止められるものの、守備の位置取りは相変わず良い。
しっかりと貢献しつつ、ビルドアップも手伝いしっかりと成長を見せてくれた。中野 さすがに疲れが見えたものの穴をあけない守備に、的確なパス回しで貢献。
スペシャルを発揮してほしい場面ではまだ足りないものもあったのは事実。
そこを突き抜ければあっという間に世界だろう。ソッコ しっかりと強さのある守備を見せてくれた。一度簡単にかわされたシーンが少し心配。だが足元の繋ぎと止める強さを共存させた彼の存在は無失点に大きく貢献した。
小屋松 前半は無難に過ごすも、仙頭と近づいてからは躍動。
しかしもう少し自身が仕掛けても良かった、という意見は難しい。
サイドにスペースはなく、無駄に仕掛けて取られることがなかったことは無失点への貢献の意味もある。もどかしい展開だが、彼の貢献は確実に大きい。★本田 やれる事は少なかったか。いつもの技術を発揮するスペースはなかった。
★酒井 ちょっと時間も短く評価は難しい
★大畑 同上 - がんばれ！
林 山下とともにいいプレス、いい関係性でゴールに迫るも、惜しい場面でやや焦り気味のシュートで枠に飛ばすことは出来なかった。
期待を込めて、FWがゴール出来て入れば勝てた試合、という意味で、がんばれ！の評価。しっかりと頑張ってくれていた。次こそゴールを期待したい。