僕はIT系に勤めています。

これまでに、無理な要求や、無謀な納期を難なくこなす人を何人か見てきた。
とんでもない技術を持つ人も何人かいた。

彼らは間違いなく有能だ。
そういう人材が居て、初めて技術というのはブレイクスルーするんだと思う。

有能だから出世もする。
期待もする。

で、その結果どうなったか?

そのチーム内では、
誰も『できない』を言えなくなり
品質が下がった。

スーパーな技術をもっていても、
確認漏れは起きる。

適正に終わらない仕事が来たときは、上や顧客に『無理です』と言えるが大事だろう、


なんて


当たり前のことを簡単に言うつもりはない(笑)



『無理すれば出来る』ことを

『何も言わずやっちゃう』のは


無能の極みだよ。


上や顧客に

これは相当無理してますよ!!

と押し付けがましく言って回ってもいい。

その際のリスクもうざいくらい説明して回ってもいい、


その結果すこーし問題がありながらも
納期に間に合ったなら

周囲の印象は違うだろう



何も言わず上手くいったら?


そんなもんだよね、
あーよかった


で終わる。


本人やチームは相当頑張ったのに
その印象はなく、


むしろ何も言わないまま
問題だけ聞いたら

周りはめちゃくちゃ言ってくるだろー。

そしてチームも本人も評価されない。




沈黙は金、という
日本の良き伝統はある。

黙ってこなすのも矜持かもしれない。


それはね


一人で

営業から管理から開発までこなす
職人の世界の話なのだよ。

個人事業のね。


無理なことを無理だと伝える
厳しいんだと分かってもらう。
それって結構大変。
だけど、チームや会社を守るためには
実は一番大事な仕事。

それを上司がやれなくてどうする?


その努力や手間が面倒だったり
実際に開発しちゃうほうが早い

とかの理由で


言わない、騒がない人が多い。
しかも技術がすごくて出世した人にこそ有りがち。


それは愚の骨頂よね。


自分だけじゃなく


チームが評価されるには


どんなリスクに立ち向かっているのか?
いまある要求はどの位無理を言ってるのか?

自分達がどのくらい頑張ったのか


それを伝えるのこそ



上司の役目だろう。


それが出来る人が有能だと思う。

そしてそういう人は必ずしも
『業務』を進めるのが早いとは限らない。

だから技術畑の世界だと出世もしにくいかもしれない。


社会構造って
常に矛盾をはらんでるよね。


そういうことを日々考えながら
生きていけば

10年後には少しは変わってるんじゃない?