2015年4月25日
Jリーグ第7節

鳥栖 VS 柏 1-1(豊田)



前:4勝2敗   3位
後:4勝2敗1分 5位


■前提
2015年の第7節。
前節の甲府戦は豊田の2ゴールに水沼のゴールで快勝。
正直、甲府は守備の連携が破綻しており、いくらでも崩せた。
とは言え、珍しいテクニカルな豊田のミドルもあり、調子は上向き。

対する柏はACLのグループリーグを突破。
工藤や武富、大谷にレアンドロと、チームは成熟しつつあるが、
その分疲労も気になるところか。


■スタメン
GK:林
DF:丹羽 菊地 谷口 吉田
MF:藤田 高橋
MF:水沼 池田 キムミヌ
FW:豊田

■前半
日差しの影響もあってか、奪ってからの展開がやや雑な鳥栖。
どうしてもすぐに奪われてしまうためボールを持たれる時間が長くなる。

それでも菊地や丹羽の素晴らしいカバー、
そして、吉田豊も寄せのタイミングが良く、1対1でよく奪っていた。

また、谷口も今日は中央でよく跳ね返し、シュートに対してもしっかりと寄せており、
攻められながらも守備はいつも通り何とか耐えている、という状態。

鳥栖の攻めはどうしても、頼んだ、豊田!状態。

それでも前半終了間際にはあいまいなロングボールを競り合って
身体の強さで突破し、シュート。
しかしこれはキーパー正面。

前半はやや膠着状態といった様子で、
鳥栖は何とか耐え切って前半終了。


■後半
後半、ゲームが動きつつある中で、GK林に対してチェックにいった柏。
切り替えしを取られかけて、非常に危ないシーンを作られてしまう。

その後CKからの展開でレアンドロが振り向きざまに見事なゴールを決めて1-0.

今年ホームで負けなしの鳥栖が先制を許してしまう。

その後、鳥栖はパワープレーを中心に攻め立てるが中々崩しきれない。

今日は、そろそろだめか、、と思った中で、
池田に変えてペクソンドンを投入。

この交代は非常に利いていた。
裏に長い距離を走るペクが入ったことで
前線での起点が増えて、サイドからのクロスが増えた。

こうなると豊田がいる鳥栖は強い、、、のだが、
この日の柏は鈴木を中心に跳ね返す強さを見えて中々決定機を作らせない。

それでも残り10分を切ったところでキムミンヒョクを投入。
谷口をボランチにあげて、高さ要員を増やす采配。

その直後、右サイドで得たFK
藤田のキックに飛び込んだのは豊田!!

エースの見事な同点弾で鳥栖が追いつく。

ボランチに上がった谷口のところで跳ね返すシーンが多く、
その後はセカンドボールを拾い続けた鳥栖。

だが最後の精度を欠き、キムミヌの懇親のシュートもわずかに外れ、
1-1で終了。

諦めない鳥栖が相変わらずの粘りを発揮して引き分けに持ち込んだ。



■まとめ
この日も上手く攻撃が構築できない鳥栖。
奪ったボールがあいまいなクリアで奪われるシーンが多かった。

だがいつも後半はセカンドボールを拾えるようになる。
これは運動量のせいか、集中力のせいか判らないが、
そのタイミングで一気呵成に攻めることが出来ており、
実際に残り15分でのゴールは今年も多い。


柏に支配されながら負けなかったことを良しとするか、
最後に攻勢を仕掛けながら逆転できなかったと考えるか。

どちらにせよ豊田の得点力が光ったとともに、
豊田以外の得点源のなさを露呈したとも言える試合となった。




■選手総評
林 6.0
セービングは危なげなく、失点のシュートは仕方ないレベルのもの。
それよりも、足元で危ないシーンがあり、失点の遠因になっている。
GKが奪われるのは失点に直結するため、集中と判断をより高めてほしい。

丹羽 6.0
守備に関してはいつも通りの安定感を見せた。
危ない場面でのカバー、ゴール前での冷静さを見せるも、
クリアやフリーでのクロスにやや精度や工夫がなく残念な場面も。

谷口 6.5
CBとボランチで高さと強さを発揮し、終盤の攻勢に貢献した。
クリアやフィードも高い精度を見せており、この日は攻守に安定感があった。

菊地 6.0
ゴール前での冷静さは特筆もの。
だが、上手く繋ごうと一瞬ボールを持つ時間が長く、
そこを詰められるシーンもあった。
それでも守備の安定感、攻撃のビルドアップの起点として中心としてプレー。

吉田 6.5
守備の寄せが早く、1対1の守備でボールを奪いきる力を見せた。
両足でのクリアもしっかりと出来ており、劣勢の中身体を張ってゴールを守った。
攻めの場面ではややフォローが遅かったり、少し精度を欠いたが、
それを補って余りあるほど精力的に戦った。


藤田 5.5
いつもの球離れの早さがなく、キックがずれたり、判断に迷う場面も。
それでも数多くあったロングスロー、CK、FKのキッカーとして良質のボールを供給。
豊田の同点ゴールを演出した。

高橋 5.5
可もなく、不可もなく。
中盤でよく戦ったが、前線へ繋げる役割は果たせず。

水沼 5.5
右サイドから切りこんでのプレー。
運動量豊富なプレーで活性化したものの、決定機は作れず。
それでも攻守にアグレッシブにプレーした。

キムミヌ 6.0
彼自身の突破力、そしてクロスの質や攻守の運動量は流石。
しかし、良い形でもらえることが少なく、やはり安田の移籍の穴は
鳥栖の10番に影響を与えているか。


池田 5.0
ハードワークは怠らなかったが、シュート、クロスの質を欠いた。
プレーに迷いがあり、判断が遅くなるシーンも。
もう少し積極的に自分でシュートにいく形も狙ってほしい。

豊田 6.5
いつも通り苦しい試合を救ったエース。
これだけ警戒される中で得意の空中戦でしっかりと決めきった。
前線でのプレスも激しく、その分シュートにいける場面は少ないが、
少ないチャンスでも決めきる力を見せた。

ペク 6.5
池田に代わってトップ下で出場。
両サイドの裏を狙い続け、裏でボールを受けてクロスまで繋げた。
攻撃を円滑にし、足りなかった最後の崩しの場面で存在感を発揮した。


キムミンヒョク 6.0
時間は短いものの、豊田のゴールのシーンでは
豊田、谷口、キムミンヒョクと、ハイタワーが揃った故の
マークのズレだったように思える。
終盤はしっかりと高さを生かして跳ね返し続けた。


森下
攻撃の形が見えなかったが、ペクのトップ下には光明も。
失点は仕方ない部分もあるが奪われ方が悪く、プレスがかからない場面も。

交代で修正できたわけではないが、難しい状況のキムミンヒョクを途中起用し、
実際に結果にも影響を与え、サポーターに頭を下げて回らせたことは好印象。

遺恨を残したままでは戦いづらいが、これでキムミンヒョク自身にも
良い影響を与えるのではいか。

この日は柏に支配される時間が長く、攻守に不安定だったが
残り10分の勝負強さは異様。

そこで戦えるチーム、というのはやはり強い。