2015年3月22日
Jリーグ第3節


鳥栖 VS 横浜 0-1


■前提
2015年 第3節。
今年1勝もしていないマリノスが相手。
とは言え、「アデミウソン」という本物を迎え入れたマリノス。

去年勝てたときは丹羽のスーパーなクリアからの速攻があった。
DFに高さも強さもあるマリノスにはスピードや、カウンターが活路か。

■スタメン
GK:林
DF:丹羽 谷口 ミンヒョク ソングン
MF:藤田 高橋
MF:ペク 池田 キムミヌ
FW:豊田

菊地が負傷とのことでベンチにも入らず。
その分万能な谷口をCBに下げて、高橋が今期初出場

■前半
鳥栖はいつも通り前目のプレスを敢行。
しかし今日のマリノスは今期戦ったどのチームよりも
少しずつ「強く」て「上手い」

少しずつプレスを交わされ、斉藤にドリブルで抜け出され
幾度となくシュートを浴びる。

マリノスはボランチに本来CBのファビオと、三門を起用。
明らかな鳥栖対策。

高さと強さをもった二人は、中町や冨澤のボランチコンビよりも
明らかに強度に勝る。
これにより、池田と豊田の空中戦をつぶされ、
その上で後ろを中澤が守り、榎本が防ぐのだから固い硬い。

それでも斉藤や兵藤のシュート精度の悪さや
最後の最後のところは防いでいたのはさすが。

結局、今日も我慢比べ。


■後半
後半、試合は膠着状態。

それでもアデミウソンの片鱗は見えたか。
ボールの持ち方、置く場所が逐一上手い。

上手いというか、相手の体重や位置関係を見たボールの持ち方をする。
南米らしい嫌らしい持ち方。
そういう意味では斉藤もかなりの成長を感じた。

鳥栖がガツガツ行って、ボールをとりきれないシーンも散見。

そんな中、右サイドでもったアデミウソンがきれいなサイドチェンジ。
そこから左サイドを突破され、上がったクロスの跳ね返りをシュート!
マリノスの選手と谷口が交錯し、シュートを防ぐも、
こぼれたボールにもう一度反応したのは兵藤。

嫌なかたちで泥臭くねじ込まれて 0-1。

その後鳥栖は水沼を投入するなど流れを変えようとする。
最後のロスタイムには、その水沼の見事なクロスから豊田!

この試合初めてといってほど、唯一フリーで打てたヘディングシュートは
しかし榎本のスーパーセーブで万事休す。

■選手総評
林  6.0 
安定感はあった。失点のシーンはGKが飛び出すなら任せたかったか。
谷口が今期初めてCBに入った影響もあったか。
風もあり、難しいところだが、ハイボールに強いマリノス相手であり
もう少しキック精度が高ければと思うところも。

ソングン 5
大きな見せ場はなくややファール気味のプレーも。
攻守に強さを見せれず、拙さが目立ったか。

キムミンヒョク 5.5
最後の守備の強さを見せてはいたが、クリアが雑。
安田が移籍し、菊地が居ない中、彼のクリアやビルドアップに
掛かる期待が大きく、その分ミスも目立った。

谷口 5.5
守備には安定を見せていたが、失点のシーンは残念。
もともと中盤の選手であるので、もう少しキックの質を求めたい。

丹羽 5.5
カバーに活きる選手であり、何度か抜かれそうになりながらも
シュートストップを魅せたのはさすが。
それでもこれだけ押し込まれる展開ではフォローよりも
ファイトが求められる。


藤田 5
中盤を省略することが多いとはいえ、それでも存在感を出せないのはマイナス。
いつもの強さも、ファビオ相手では厳しく、あまりボールを持てなかった。

高橋 4.5
守備での強さを求められていたが、斉藤、アデミウソンに振り回される。
得意の飛び出しも少なく。

ペク 5
運動量は見せたが、その強さをボールキープに活かしたかった。

キムミヌ 5.5
突破のアイディアはあったがカウンターでも攻めきれず

池田 4.5
ファビオ、中澤につぶされ、攻撃では何もさせてもらえなかった。

豊田 5.5
献身的なプレスと休まぬ攻撃で存在感を見せるも
中澤、ファビオの高さと強さに起点とはなれず。
最後に見せ場を迎えたが、GKを上回れず。

早坂 -
今日は攻撃で違いを求められていたが、その色は出せなかった。

水沼 6
彼の技術がもう少し早く発揮されていれば。
豊田へのクロスはアイディア、質ともに素晴らしかった。

岡本
時間、短く。

森下 5
今日は我慢比べに負けた印象。
そして負けてるときに反撃するための攻撃のバリエーションが少ないことを露呈。
基本カウンター、プレスの得意な鳥栖なので、
相手に引かれてしまうと手がなくなる。

水沼、キムミヌら技術のある選手を絡めて、自分たちがボールを保持してからの
攻撃力を高めていきたい。


■鳥栖の現状
引かれてしまうと攻撃の手段がなくなることを露呈。
また、ドリブラーに弱いという弱点も。
相手のシュート精度の低さ、セットプレーでの守備力の強さで
何とかしのいだ場面もあるが、それでも危ない展開が多かった。

最後は地力の差で押し込まれた。

菊地がいれば失点は防げたかもしれないが、攻撃は変わらなかっただろう。
それでも安田が移籍した今、菊地のクリアの質、
それでも味方に繋げるボールや、ビルドアップは重要

この試合ではクリアが雑で、ことごとく五分五分のボールであった。
そこにファビオ、中澤を用意したマリノスに競り負けて
ほとんどキープできなかったのが1つ目の敗因。

2つ目は、そのこぼれ球も、競り合いの強さは見せても
ボールキープの強さ、安定感、ポゼッションすることにより
時間をかせぎ、守備の陣形を整えたり、攻撃される時間を減らすといった
試合の進め方に大きな稚拙さを見せた。


それでも劇的なゴールで何とかしてきた去年。
ただ劇的なものではなく、しっかりと勝ちきる試合
難しい試合でも勝ち点を拾う試合を作っていかなければ。

全てが劇的に上手くいくことが続くことはない。

この日はマリノスの「鳥栖対策」にしっかりとやられた。
理由のある敗戦といえる。