日本 VS ニュージーランド 4:2(岡崎2 香川(PK) 森重)


前提:
久しぶりの代表戦。
しかもW杯の年に2試合しかないうちの1試合。
相手は格下のニュージーランド。
圧倒しつつ、自分たちのサッカーを思い出すのが目的。

はたして・・


スタメン:
川島
長友 森重 吉田 酒井(宏)→酒井(高)
山口(→細貝) 青山(→遠藤)
香川(→斉藤) 本田 岡崎(→清武)
大迫(→豊田)


試合:
体格を生かしてあたりの強さを見せるニュージーランドだが、
岡崎の走りこみに付いていけず。
GKやDFのミスもあり、あっという間に4得点を奪う。

だが、そこから強さを生かしたニュージーランドに押され
日本もミスを多発する。

後半は岡崎がいなくなった影響もあり、まったくパスが繋がらない。
2失点もあり、後味の悪い試合。

ベルギー、オランダに走り勝った面影はなく、
雨の国立はしんみりとした最後を迎えた。


■選手総評
川島 5.5 
失点はやむをえない部分もあるが、キックの精度の悪さ、そしてDFとの連携の悪さも目立つ。
4年前同様、西川への急な変更もあるかもしれない。

長友 6.0 
それなりに及第点。悪くないクロスもあったが、押し込んだ状態で高い位置で持ったときにアイディアの無さも目だった。

森重 4.0
今野の体調不良で期待されたが、2失点目は完全に当たり負けをした失点。
本戦ではファルカオ、ドログバとの戦いを想像すると苦しすぎる。

吉田 4.5
このレベルに2失点は言い訳のしようがない。
センタリングへの反応が遅く、足先で行くことも多く、危険が多かった。
人への強さは見せたが、スペースへの守備に弱さを見せた。

酒井(宏) 4.5
サイドで完全に抜かれての1点目。
ほかにも寄せの甘さでクロスを許すシーンが多く、守備では落第。
攻撃ではいいタイミングの攻め上がりが多かったが役に立つクロスは届かず。



山口 6.0
あたりの強さ、寄せの速さを見せて中盤を引き締めた。
カバーの意識も高く、運動量もあり、中盤で必要な人材であることを見せ付けた。
細貝、青山のパフォーマンスと比べても抜けており、本選でもレギュラーとなりうる可能性を見せた。


青山 5.5
質の高いパスやサイドチェンジを多く見せた。
だが守備の局面ではやや遅さや甘さが目立ち、評価が難しい。
W杯当落線上だが、厳しい方向に進んだか?
細貝と争うのであれば可能性はあるが、長谷部の復帰を考えるとチャンスは少ない。


香川 5.0
中盤での上手さを見せた。技術力の高いパスとドリブルで得点に関与。
PKは本戦では彼に蹴らせないほうがいいだろう。
攻めが膠着した後半は細かい繋ぎに執着しすぎ、崩すシーンが減ったのはマイナス。

本田 5.5
前半はさすがの起点となる動きを見せて岡崎のゴールのアシストもさすがの視野の広さ。
だが後半は疲れからか、動きが重くなり、得意のキープをできないシーンも目立った。
それでも数少ないチャンスを演出した事実もあり、彼も評価が難しい。
ゴール前でボールを持ったときに抜いたり、半身交わしてシュートする、などの技術とスピードがないため、体格が同じ相手にはバイタルで通用しなかった。

岡崎 6.5
今日のMVP。裏への走りこみで自らパスを呼び込める貴重な存在。
運動量だけでなく、走りこむタイミングとセンスも良い。
さらにシュート、ボールへの執念といい、代表の上手い選手に欠けてるものを一人で補っている状態。
まさに必要不可欠な存在であることを証明した。
足元もじょじょに上達しており、何より強い相手、大事な場所で全力を出せる選手。



大迫 5.0
ボールが回ってこなかった不運もあるが、スペースを作る動きは見せた。
数回あった楔のパスはかなり厳しい状態で受けることが多く、キープしきれなかった。
果たしてここまでまわし続ける中盤に合うFWはいるのか?


ーーーーーー交代
酒井(高) 4.0
交代で入ったがインパクトは残せず。
技術の低さで危険を招くこともあり、何よりも守備意識が低く、後追いになるシーンが多かった。
このままでは代表レベルではないが、代わりがいないのも問題。
内田の復帰を本気で心配する状態になってきた。
いっそ細貝のSBや、小林祐、徳永あたりを試してほしいとさえ思う。

細貝 4.5
人への強さは見せた。ボール奪取も多かったが、中盤での繋ぎにタッチが多く、テンポが悪くなることが。
奪ったあとの展開力と、スペースへの守備が遅い課題さえクリアすれば期待できる選手だが、どうにも代表では力を出し切れない印象。

遠藤 6.0
遠藤は遠藤だった。
たまに魅せる”活きた”パスは後半は彼からしか生まれなかった。
人を前に走らせ、攻撃にスイッチを入れる。
停滞したときに、スーパーサブ遠藤は本戦でもキーになるかもしれない。
長谷部が間に合わないときは、遠藤、山口でスタートとなるかもしれない。


斉藤 5.5
俊敏性とドリブル、得意な形を少しは出せたか。
香川にとってかわるほどではないが、シュートへの積極性と技術は垣間見せた。
力みからか、あわてる場面もあったが、乾の出場状態を見ると、定着する可能性は高い。

清武 4.5
攻撃で交代したという意味では何も残せず。
どんなレベルの試合であれソツなくこなす、というのは才能ではあるが、
この相手を前に何かアクションを起こせない攻撃の選手というのは存在価値が下がる。
守備で強さを見せたのは意外だったが、逆に攻撃では足に付かないシーンも散見。
非常に厳しい状態だ。これなら大久保を呼んだほうが何かを変えれるのでは?と



豊田 5.0
大迫同様パスは回ってこず。
本田とワンツーで崩したシーンは可能性を感じた。
それでもハイボールや楔のパスも少なく、彼が活きる場面は少ないか。
空気を代える存在として期待したいが、柿谷との比較では難しいか。



試合内容:2.0
収穫はほぼ無く、疲労が重なった。
出場の少ない本田、香川のリハビリ試合としても
彼らも伸び伸び活躍するほどではなく、目的は達成されたとは言えない。
ギリシャを見込んだ守備と体格の強い相手との練習という意味でも
相手のDF、GKのレベルの低さでは参考にならない。

昨年11月のオランダ、ベルギー辺りの好試合を期待した人も多かったかもしれないが、
そもそも相手が強く、厳しい状態を見込んでのサッカーと
相手に引かれてるシーンでのサッカーは別物。

今回は相手が格下でボールは奪える。
その中でミスを連発した、という試合。

本戦ではこんなに簡単にマイボールにすることは厳しいだろうし、
とりあえず評価できるポイントがあまりに少ない試合になってしまった。

真剣に走らなくてもボールが取れてしまう展開が続いたため、
局面に対して厳しくいかなくなり、甘さが出たようにも見える。


この試合は最低に近い評価だと思うが、それでW杯が真っ暗かというとそうでもない。
相手が強ければより走ろうと思うのは必然であり、
しっかりと運動量が確保されたときの強さは昨年証明している。

ちょうどベラルーシにいやな試合をしたあと、という感じで、
これで危機感をもち本戦で強豪と戦うことがいい効果を生むと信じるしかない。


それにしても、4点取ったとはいえこのレベルを相手に
もう1点を取りにいけない、守備が押し上げれないDFラインは致命的か・・・

パスミスが多かったのはパスコースが少なく、運動量が少ないせいにできたとして
単純に失点したことよりも、連動したプレスが出来なかったことが不安だ。



DFラインも森重が不安を露呈し、SBの控えは守備力のなさを見せ付けた。
ボランチも山口以外はメドがたったとは言えず、1トップも答えが出たとはいえない。

要の中盤は本田の疲労が目立ち、香川はショートに固執しすぎる。
岡崎の運動量と走力だけがスランプしらず、、、という状態。


もうここまで下がったなら上がるしかない、、、と言っておこう。