日本 対 タイ (3-0)

■総括
いつものように、アジアでの戦い方で無難にアウェーのタイ戦を乗り切った。
ひとまず最終予選進出は間違いない。
試合内容は、今までに比べて危機感が違ったのか、選手個々が激しくボールを奪いにいくシーンが目だっており、特に前半は勢いが感じられた。
だが、同時に攻め急ぐ感もあり、EUROでのスペインやオランダに見られる 激しくも冷静なパス回しと、ここぞというときのスピードアップが 日本にはまったく感じられなかった。
結局ボールをキープし、攻めながらも攻めあぐね、得点はセットプレーからの2点という前半であった。

後半は猛暑により互いに運動量が落ち、ややタイに攻められるシーンもあったものの、これを凌ぐと、終了間際に途中出場した中村(憲)がゴールを決め3-0。

タイも、中盤はしっかりと繋ぐ技術をもっており、結果ほど楽な試合ではなかった。
だが、最後の最後での精度に欠いたタイはゴールが奪えず、玉田、遠藤らの個人技に振り回され敗北した格好。

日本は怪我をしている中村を出してまでベストメンバーにこだわり、がむしゃらに勝利を勝ち取った。

このレベルで 早くもぎりぎりの戦いになっているのは、W杯予選はそんなに甘くないということなのか、日本のレベルが一気に落ちたのか・・・

アジア杯で見えた アジアのトップレベル相手でもボールをキープし、しっかりとしたサッカーをする、という形は今は消えてしまっている。


ここからどうチームを作るのか・・・

それとも 今までどおり 中村やトゥーリオ、中沢、遠藤らの個人技で どうにか勝ち抜くチームに成り下がるのか・・・

正直 今は正念場だ。


それにしてもDF陣の奮闘は素晴らしいね。
中沢、トゥーリオ共にビルドアップには課題が残るものの、アジア相手では絶対的な高さと強さを持っており、セットプレーが得意な日本の大きな得点源となっている。

逆に言うとそれだけFWが不甲斐ないとも言える・・・

もう少しレベルが高い相手だとセットプレーの集中力も高いだろうし研究されてくるはず・・・

何かが狂い始めているのは間違いない・・・


■選手総評
楢崎 6.0
及第点。特に危ないシーンも無く安定。

駒野 5.0
左だとどうも攻守に中途半端・・・

中沢 7.0
獅子奮迅。さすがの高さと強さを見せた

田中 7.0 
同上

内田 4.0
どうにもちぐはぐ。クロスもイマイチで生きていない。

遠藤 7.0
中盤の司令塔。さすがのキック精度を随所に見せた。

中村 5.0
それなりのプレーは見せたが怪我明けで運動量はやや少なく。
むしろこの体調で出した采配が疑問。休ませるべきでは?

松井 4.0
得意のドリブルも通用せず。組織の中で生きるプレーが見えてこない。

長谷部 5.5
無難。だが、遠藤とのコンビではやはり守備に不安が残る。

香川 5.5
初先発にしては及第点。とは言え、山瀬やその他のFWを押しのけてまでの勢いや違いを感じることは出来なかった。

玉田 6.5
FWの中では一番調子がいいと見える。
テクニックとスピードでキープにチャンスメークに奮闘した。

※途中
中村 憲 6.0
途中出場ながら得点を上げ結果を出した。
前の推進力は貴重なタレント。

今野 -
短い時間ながらも守備を引き締めた。
やはり居ると安定すると感じる。

矢野 -
持ち味を出せず。