日本 VS デンマーク (3-1)

南アW杯 グループリーグ 第3戦


■前提

オランダに0-1で負けたものの得失点の関係で引き分けでも決勝T進出が決まる日本。

対するデンマークは勝つしかない。


■スタメン

川島

駒野 田中 中澤 長友

安部 遠藤

大久保 長谷部 松井

本田


いつものスタメン。

だけど、長谷部のポジションがやや高い。

ここにきて4-2-3-1でスタートする日本



■前半

15分すぎまで、かなり微妙な展開

勝つしかないデンマークの攻勢に押されたのと

長谷部のポジションが高く、守備のバランスが取れない。

やはりまだ、2ボランチでは守れない。


トマソンの飛び込みから幾度かピンチを迎えるも、

川島のファインセーブや相手のミスにも助けられる。


15分を我慢した日本は

じょじょに押し返し始める。

フォーメーションを4-3-2-1に戻したことも幸い。


松井のタメのドリブルから長谷部が抜け出してのシュートや

クロスから松井の右足アウトのおしゃれシュートなど

反撃を見せる。


そして伝説が生まれた。


ゴールまで35m以上あろうかという位置。

右サイドの深い位置で得たFK。


蹴るのは本田。



放たれたボールは無軌道に揺れて逆のサイドネットに突き刺さる!

この大舞台で、そして引き分けでOKの試合での先制点。


どれだけの価値がこの1発にあったか?

計り知れない。


素晴らしいFKで日本は先制する。


その後もしっかりと守りながらカウンターを試みる。

デンマークは高さはあるもののスピードはない。

田中と中澤の得意な部分と見事に合致してしまった。


サイドでの守備も長友、大久保、松井と非常に粘り強い守備を見せる。

そしてその大久保の突破から今度はゴール中央でFKのチャンス。


またしてもボールをセットする本田。

先ほどの衝撃がスタジアムに残る中、息をのむ静寂…


ここで蹴ったのは遠藤!


壁の外から巻いたボールは見事にゴールへ!

絶対に触れないコースにけりこんだ見事なゴール!!


誰が1試合に違う2人がFKでゴールすると思うだろうか?

日本の技術の高さ、職人芸を見せつけて2-0。


しっかりとリードして前半を終えた。



■後半

後半も同じ展開。

ただし、デンマークはわかりやすくパワープレーを敢行。


日本もパスの出処にプレスをかけるのだが、

フリーになれるところまで下げて、サイドに回してから上げてくる作戦に苦戦。


それでも中澤、田中を中心に丁寧に跳ね返し続ける。

そして攻めては本田のキープ力と大久保のドリブルを中心に攻める。


大久保のシュートへの意識や、本田のパワーを活かしたり、

トラップの技術でキープする能力は素晴らしい。

常にデンマーク選手と50%以上の確率でキープして時間を作る。


それでも放りこまれ続ける展開に変わりはない。

単純な攻めほど回数は多く試せる。

当たり前の話。


そして長谷部が倒してしまいPKを与える。

残り15分、というところでトマソンの蹴ったPKは川島が素晴らしいセーブ!

しかし一瞬早くトマソンに押し込まれて1-2。


それでもPKを止めた川島はすごい。

押し込まれて、PKならやむなし、、、というところだが、

本気で悔しがっていた。


気迫で負けない日本。



1-2となったが、引き分けでもOKな日本は丁寧につないで行く。

途中出場した岡崎も持ち前の運動量で攻守に奮闘する。

とくに相手のクロスやロングボールになんとか体を当てに行く守備は味方を助けた。

交代する意味をしっかりと理解したプレー。

それにより少しだけ中で競り合うリスクを減らせる。

地味だが、ひとつずつ頑張る、集中するのが守備の基本。


そして最後にスーパープレーが出た。

大久保の縦パスを受けた本田が一瞬の切り返しで相手DFを完全に交わす

あとはGKだけ!というシーンで横の岡崎にプレゼントパス。


完全にフリーとなった岡崎はゴールに流し込むだけ。

3-1。


日本が完勝を決定した瞬間だった。



■総括

グループリーグを勝ち上がるというミッションを

これ以上ない形で達成した。


デンマーク戦の2本のFK

流れるようなパスワーク

カウンターからのシュート

粘り強い守備


どれもが世界と戦えることを示した1戦となった。


■選手総評

川島 6.5 失点は仕方ない。安定したセーブで後ろを支え続けた。

長友 6.5 安定した守備に加え、この日は攻撃でも存在感を発揮。

田中 6.5 デンマークの高さに対抗し続けた。

中澤 7.0 守備の安定は彼の好調に支えられている。

駒野 6.0 さほど存在感は示せなかったが安定した出来


長谷部 6.0 攻守にアグレッシブにプレー。PKを与えたのはもったいなかった。

遠藤 7.0 この日も中盤を支配。的確なパスワークで攻撃にリズムを与えた。FKも見事すぎる。

大久保 6.5 攻守に走り、ドリブルを見せた。最後の精度に難だがそこまで求めるのは酷か。

松井 6.0 得意のドリブルとパスで活性化。後半はややスタミナ切れか。

阿部 6.5 中盤の底でバランスをとり続けた。この日も安定感抜群


本田 8.0 この大事な1戦で1G1Aは見事というしかない。キープでもチームを助け文句なしのMVP


岡崎 7.0 オランダ戦ではできなかった「結果」を手にした。守備でも激しくプレー。

今野 - 短いため