前置き



こんにちは、Mayaですウインク

今回から新しい話題(テーマ)として『怪談』を追加してみました。


めちゃくちゃリアルに体験したお話をできる限り記憶から引っ張り出して書いているので、記憶がうやむやだったり抜けてたりするかもしれないですが、自分にとっては怖かったり不思議だなって思ったお話がいくつかあります。


そんなに怖くないかもしれませんが、ぜひ楽しんで頂けると嬉しいです。





 

暗闇に潜む者(前編)


これは、私が幼い時に体験したお話です。


私が住んでいるマンションは3LDKで、そんなに広くも狭くもないごく普通の部屋です。建てられてすぐに移り住んだため特に事故物件ということでもありませんでした。


私が2歳ぐらいの時にアパートを引き払い、今のマンションに越してきました。それから数年が経ち幼稚園に上がった頃、よく夜中に目が覚めるようになったのです。


当時、暗いのが怖かった私は、良く父親を起こしてトイレまで連れて行ってもらいました。ですが、その日は特にトイレに行きたかったわけでもなく、ふと目が覚めてしまったのです。


最初は目がぼやけ周りがよく見えませんでしたが、だんだと暗さに目が慣れ、視界の右端にぼやっとした黒い影のようなものが見えることに気がつきました。


『お母さんが起きてるのかな?』


そう思った私は特にその時は気にもせず、布団の中でまた眠くなるのを待っていました。しかしその時、違和感を感じたのです。その影がいる場所は母が寝ている場所でした。私は父と母に挟まるようにして寝ており、その影はちょうど母の足元にあたる場所にずっと留まったまま動きませんでした。まるで無機物のオブジェのように、ずっとそこに固まっているかのようでした。


『具合でも悪いのかな?』


変な胸騒ぎがして起きて声をかけようとした時、母の布団が視界に入りました。掛け布団が妙に膨らんでいることに気がついたのです。そっと枕元を見てみると、母の頭と思わしき黒い物体が飛び出しているのが見えました。母は起きておらず、ずっと布団の中ですやすやと眠っていたのです。父親も私の左隣でいびきをかいて寝ていたので、父親でもないことは確実でした。


その影は次第に輪郭を形造り、人型のような形になりました。母と同じぐらいかそれよりも大きい体格の着物姿の女性が、正座をしながら寝ている母の顔をずっと見下ろしていたのです。


その瞬間、動きたくても動いてはいけないような感じがして、目をぎゅっと瞑っていると、気がついたら朝になっていました。母はいつも通り元気で幼稚園の送り迎えをしていました。


玄関は寝る前にしっかりと鍵もチェーンもつけており、しかも6階なので着物姿の女性が侵入できるはずがありません。


今でもあの女性がなんだったのか、分かっていません。