コロナ騒動で、全体主義が強まりつつあることに不安を感じていますが。。
こちらのブログに、
ノンフィクションライターの窪田順生さんの記事、
が載っていて、
今の日本と開戦前の状況がよく似ているので、抜粋して紹介したいと思います。
ー-転載開始--
やはり我々には、「お上に従う」ということが骨の髄まで染み込んでいるのか。
先日NHKの世論調査で、新型コロナなどの感染症の拡大を防ぐため、「政府や自治体が外出を禁止したり、休業を強制したりできるようにする法律の改正が必要だ」と考えている人が、62%もいることがわかった。
ちなみに、「必要ではない」と答えた人は27%ということなので、ダブルスコア以上で、「お上にたてつく不届きものはお仕置きすべき」と考える人が多いということだ。
自分たちのイデオロギーに合わないものを「社会全体にとって害になる」と叩いて排除する
というのは、全体主義に毒された人たちに見られる典型的な症状だからだ。
わかりやすい例が、戦前・戦時中の「娯楽統制」だ。
現代人の歴史認識では、軍部が勝手に1人で暴走を始めて、国民の反対を押し切って娯楽や言論を統制していったというイメージが強いが、当時の新聞報道などを見れば、現実はそうではないことがわかる。
まず、言論統制される以前から、新聞やラジオというマスコミは自ら進んで戦争を煽っていた。軍の発表を盛りに盛って、「爆弾三勇士」などの戦争美談をふれ回った。「そうしろ」と命令されてわけではなく、愛国心を刺激するコンテンツが読者やリスナーに圧倒的にウケたからだ。
そして、 この「愛国コンテンツ」を連日のように見せられた国民が、暴走を始める。自分たちの価値観に合わないものを「社会にとって害だ」と排除し始める。
たとえば、当時戦争に反対する「非国民」を一般市民が棍棒を持って追いかけ回して袋叩きにする、という事件が珍しくなかったが、それは軍部に命令されたわけではなく、市民たちが自発的に行ったことなのだ。
こういうムードが極限まで盛り上がると、やがて国民は公権力に対して求め始める。「日本のために秩序を乱す者たちを、もっと管理しろ」「もっと厳しく統制しろ」と――。
これが、日本が全体主義へのめり込んでいったプロセスである。
「陸軍のエリートが暴走した」「軍を抑えられなかった政治家が悪い」「マスコミが戦争を煽った」などといろいろ言われるが、やはり「全体」というだけあって、日本社会がおかしな方向に流れても誰も止められなかった最大の原因は「民意の暴走」にあるのだ。
そして、今回のコロナによって、我々はこの「いつか来た道」をまた進んでいる恐れがある。
ご存じのように、日本のコロナ感染者数や死者数は、他の東アジア諸国とともに、欧米などと比べものにならないほど少なく抑えられている。しかも、そんな日本のコロナ収束は、緊急事態宣言による外出自粛や休業要請による効果ではないことがわかってきている。
つまり、科学的データや客観的事実を踏まえれば、現時点で外出禁止や強制休業といった法整備の必要性は、これっぽっちもないのである。
しかし、「民意」は外出禁止や強制休業の法整備を求めている。論理的に考えてそのような結論になったわけではなく、ルールに従わない輩にペナルティを与えないと「社会全体にとって害になる」「真面目に自粛していた人間がバカを見る」という、極めて雑で排他的な「空気」に流されているのだ。
こうなったときが、日本人は一番恐ろしい。
過去の「エイズ・パニック」によって引き起こされたエイズ患者への差別や偏見、ハンセン病患者の隔離政策や家族への陰湿で執拗な誹謗中傷などは、科学的データや客観的事実に基づいたものではない。
すべて「よくわからないけれど、日本社会全体にとって害になるのは間違いないから、とりあえず排除しておいた方が安心だろう」という、極めて雑で排他的な「空気」に流されて発生してきた。
そして、筆者が何よりも「いつかきた道」だと感じるのが、やはり外出禁止や強制休業の法制化を望む人たちが、これほど多くいるという事実である。
「今回はうまく乗り切ったが、第二波がきたら何十万人もの人が死ぬ恐れがある」などと恐怖を煽れば、今の社会ムードの中では、外出禁止や強制休業に関する法整備だって、それほど激しい世論の反発にあうことなく、しれっと進められてしまいそうだ。
そうなれば、自粛に従わない事業者や市民が、公権力のもとで取り締まられる。気に食わない人々を警察に「密告」して逮捕を促すような、戦時中の「隣組」をさらにバージョンアップした、相互監視社会が到来する恐れもあるのだ。
「そんなバカなことがあるわけがない」と鼻で笑う人は多いだろう。しかし、戦時中の国民も「そんなバカなことがあるわけがない」とタカをくくっているうちに、気がついたら日本全体が狂っていたのだ。
社会を暴走させる本当の真犯人は、政治家でもマスコミでもない。
実は、いともたやすく「空気」に流され、「強いものに管理されたい」と騒ぎ出す、我々国民自身なのである。
ー-転載終了--
「軍部に命令されたわけではなく、市民たちが自発的に、戦争に反対する「非国民」を棍棒を持って追いかけ回して袋叩きにする」というのは、
営業しているお店に嫌がらせをしたり、自粛警察やマスク警察に似ていますね。
社会を暴走させる本当の真犯人は、政治家でもマスコミでもなく、国民自身。
日本が「いつかきた道」を再びたどらなければいいのですが。。
