さて、ドイツ、スイス、オーストリア、ルーマニア、ハンガリー等のクリスマスの伝説には、
クランプスという全身真っ黒な毛で覆われ、頭には羊のような大きな角が生えた悪魔のような生き物が登場します。
クランプスは悪い子に罰を与える生き物で、手にはお仕置きのためのムチや鎖、背中には大きなかごを背負っていて、「悪い子はさらって地獄へ落とすぞ~」と脅すのです。
クランプスは悪魔サタンに似ていますね(笑)。
このクランプスの伝説に、サンタのモデルの聖ニコラウス(4世紀頃の現在のトルコ付近の聖職者で、貧しい人々に施しを与えた)が加えられ、
「良い子にはサンタがプレゼント」「悪い子にはクランプスが罰」という形になったと言われています。
そして、サンタ・クロースは、サタン・クロノスを文字っているという説もあるとか。
サタン・クロノスはローマ神話に登場する農耕神サートゥルヌスに由来。
大鎌を持ち、死神の一面もあるサートゥルヌス。
サートゥルヌスの長いひげと体を覆う赤い布はサンタを連想させますね。
ちなみにヒイラギは、古代ローマではサートゥルヌスの木とされていました。
「Santa(サンタ)」が実は「Satan(悪魔)」ということを知っている欧米人は少なからずいるそうです。
クリスマスは、ミトラ教やドルイド教など古代宗教の要素が入っている、いわば「異教の祭り」なので、
クリスマスをお祝いしないキリスト教徒の方々もいるそうです。
クリスマスプレゼントの交換は、古代ローマや北欧の「冬至の祭り」の習慣が由来。
ところで、サンタの服の色は、コカ・コーラ社が宣伝のために、イメージカラーの赤と白をサンタの服の色にしたそうですが、
もしかすると、赤色はサートゥルヌスの赤い布の色かもしれません。
こうして見ると、クリスマスは、キリスト教にはあまり関係がなく、様々な古代宗教や風習、ニムロド崇拝などが入り混じっているものなのですね。
それにしても、ニムロドやクランプス、サートゥルヌスは、日本人がイメージする平和で楽しいクリスマスとはかなりかけ離れています。
しかし、すっかり定着してしまった日本のクリスマス。
「サンタはサタン!」と言っても、多勢に無勢ですね(笑)。