日本で初めて公開されたグアテマラ映画
『火の山のマリア』
先日、大阪での公開初日に観に行ってきました!
舞台はグアテマラの火山のふもと。
主人公は、17歳のマヤ先住民の少女マリア。
マヤの伝統・文化・風習を受け継ぐマリア達家族が
厳しい現代社会を力強く生きる姿を
リアルに描いています。
グアテマラならではの社会問題がいくつも盛り込まれていて
マヤ文明のロマンを想起させるような幻想的な話ではなく
ドキュメンタリーに限りなく近い内容です。
コーヒー農園の現実
出稼ぎのための不法入国
男性優位社会
人権無視
混血の人達と先住民との格差
同じマヤ先住民の中での格差 .....
グアテマラ人のハイロ・ブスタマンテ監督が
小さな子供を持つマヤ先住民の母親の身に
実際に起きた事件を取材して脚本執筆されたそうです。
kinocoは、学生時代
グアテマラに長期滞在していた時
仲良くなったマヤ先住民の友達などから
一部の先住民がスペイン語が話せないことで
数々の不当な扱いを受けている話をあれこれ聞いたり
そういった現場に遭遇したこともあり
当時とても深く考えさせられましたが
『火の山のマリア』では、そのことが描かれていました。
スペイン人に征服されてから
ずっと変わらず、いまだ改善されない現実があり
kinocoの個人的な感情として
それがとても悲しく、とても腹立たしく
なんとも言えない気持ちになります。
この貴重な機会に
観光旅行では決して知ることのできない
グアテマラの現実を
マヤ先住民の現実を
ひとりでも多くの方々に
知っていただきたいと思います∞
マヤ先住民が着ている民族衣装は
村ごとに織りや色柄が異なるのですが
主人公マリア達はソロラという村の衣装で登場し
マヤ語の1つ、カクチケル語で話しています。
ほぼ全編カクチケル語で撮影されていて
主人公マリアをはじめ、出演者は現地の人を起用している
という点でも貴重な作品だと思います。
グアテマラの重い現実だけではなく
マヤ先住民の暮らしぶりを
垣間見れる作品としても注目です!
チケットカウンターでは
グアテマラ織物の生地を使った
手作りのブローチなども販売されていましたよ。
▼ マリアのこの表情が示すこととは...!?
(C)LA CASA DE PRODUCCIÓN y TU VAS VOIR-2015
第65回 ベルリン国際映画際で銀熊賞受賞。
グアテマラ映画として初めて
米アカデミー賞の外国語映画賞にエントリーされた作品です。
オフィシャルサイトで予告編が見れます。
http://hinoyama.espace-sarou.com/
『火の山のマリア』
大阪では、シネ・リーブル梅田で上映中
東京では、3月25日まで岩波ホールで上映中
愛知や大分でも上映中です(全国順次ロードショー)