昨夜はコクーン歌舞伎「十六弾 切られの与三」観劇。
幟があるとテンションも上がる
花道会セミナーで扇雀さんが、これまでの与三郎とお富とは、まったく違ったものになりそう。木ノ下歌舞伎主催の木ノ下さんはすばらしいと、おっしゃっていたので、それはそれは楽しみにしておりました。期待を裏切らない舞台でした。
これまでもコクーン歌舞伎は斬新な演出が多かったけど、今回はぶっ飛び感は少なく感じました。歌舞伎とジャズの生演奏だったり、木枠のフレームを自在に操っての舞台演出だったり、新しいけど私には違和感が感じられなかった。
ラストの与三のたった1人のシーンがすばらしく、七之助さんに勘三郎さんを感じたのは私だけ?
瀬川如皐 作 「与話情浮名横櫛」より
木ノ下裕一 補綴、串田和美 演出・美術
切られの与三(きられのよさ)
与三郎 中村七之助
お富 中村梅枝
伊豆屋与五郎 中村萬太郎
下男忠 笹野高史
赤間源左衛門 真那胡敬二
おつる 中村鶴松
小笹 中村歌女之丞
海松杭の松五郎 片岡亀蔵
観音久次 中村扇雀
もともとのお話は、江戸の大店伊豆屋の若旦那(じつは養子)の与三郎は故あって身を持ち崩し、木更津の親類に預けられていた。春の潮干狩りの時分、木更津の浜をぶらついていた与三郎はお富とすれ違い、互いに一目惚れしてしまう
(序幕・木更津浜辺の場)。
お富は、地元の親分赤間源左衛門の妾。お富と与三郎の情事は露見し、与三郎は源左衛門とその手下にめった斬りにされるが、源左衛門はこの与三郎をゆすりの種にしようと、簀巻きにして木更津の親類のもとへ担ぎ込もうとする。いっぽうその場を逃げ出したお富は赤間の子分の海松杭の松に追われ入水するが、木更津沖を船でたまたま通りかかった和泉屋の大番頭多左衛門に助けられる
(二幕目・赤間別荘の場、木更津浜辺の場)。
三年後、与三郎はどうにか命を取り留めたものの家を勘当されて無頼漢となり、三十四箇所の刀傷の痕を売りものにする「向疵の与三」として悪名を馳せ、お富は多左衛門の妾となっていた。
或る日、与三郎はごろつき仲間の蝙蝠安に連れられて、金をねだりに或る妾の家を訪れた。ところがそこに住む女の顔をよく見れば、なんとそれは三年前に別れたきりのお富。片時もお富を忘れることのできなかった与三郎は、お富を見て驚き、またしても誰かの囲いものになったかと思うとなんとも肚が収まらない(ここで恨みと恋路を並べ立てる「イヤサこれお富、ひさしぶりだなア…」の名科白)。やがて多左衛門が来て、そのとりなしで与三郎と安は金をもらって引き上げる。お富は、多左衛門には与三郎を兄だと言い繕ったのだったが、じつは多左衛門こそがお富の実の兄であり、多左衛門は全てを承知の上で二人の仲をとりもとうとしていたのである。このあと多左衛門はお店からの呼び出しを受けて再び出掛け、和泉屋の番頭籐八がお富を手篭めにしようとするのを与三郎が助けるが、籐八が海松杭の松の兄であったことから赤間一味の悪事を知り、復讐を誓う。また刀傷を治す妙薬を知るなどのくだりがあって、与三郎が「命がありゃあ話せるなァ」とお富を引寄せるところで幕となる
(三幕目・源氏店妾宅の場)。
その後の幕は和泉屋での与三郎の強請り、野陣ヶ原での与三郎の捕縛、続いて『嶋廻色為朝』(しまめぐりいろのためとも)という常磐津の所作事があり、女護が島に辿りついた源為朝と島の女たちとの色模様を見せるが、それは遠島になって島抜けをする途中の与三郎の見た夢。そして島を抜けた与三郎が下男忠助のはからいで、父親の伊豆屋喜兵衛にそれとなく会う情感豊かな「元山町伊豆屋の場」、平塚の土手で与三郎が赤間と再会する世話だんまりのあと、大詰は旧知の観音久次の自己犠牲で与三郎の傷痕が消える「観音久次内の場」となる。
本来のお話から大枠はそれてないんだ。
最後に、辰年、辰の日、辰の時刻に生まれた男(なんと観音久次がその生まれ
)の生き血(歌舞伎や文楽のお話には多い)と毒薬を混ぜると三十四箇所の傷が消える
でも久次の犠牲を選ばなかった与三。
青空に白い雲、広い舞台に一人ぽっちの与さん、「しがねぇ恋の情けが仇」の科白に胸が熱くなる。勘三郎さんを感じたのは私だけ?七之助さんの立役、すてきでした。
七之助与三は舞台を客席を走って走って
最初は弱気で頼りなげな若旦那が、三十四箇所の傷を携え、どんどん悪になってゆく。躍動感とスピード、そして見初めの場などは、二人以外は止まっちゃう。
簡単な裃をつけて、口上風にナレーションをする出演者の皆さん。与三郎のことは、本当のところは、真実はよくわからないと言う。
梅枝お富は美しくて、怖い女性。
1994年の誕生から進化続ける「渋谷・コクーン歌舞伎」。古典に新たな風を吹き込み、劇場空間には熱気が満ちあふれ、これまで数々の話題作も多い。今回は美男美女が別れと再会を繰り返す江戸世話物の人気作『与話情浮名横櫛』。串田和美の演出・美術、木ノ下裕一(木ノ下歌舞伎主宰)の補綴で、新たな物語が生まれた。
奇遇な出逢いを繰り返す与三郎とお富、輪廻転生?デジャヴ?のように、それはダメという場面で地獄へ落ちる与三。その因果の渦に巻き込まれ、運命に翻弄される周囲の人々、それぞれの運命にも光が当たる。
ロビーには茂助だんごの販売ありました🍡
私はこんなかわいいチケットホルダーを買いました。
今日のそらとあず




