昨日、福岡放送局TNCのCUBE(キューブ)という番組の中で、
ノンフィクション作家の佐木隆三を取り上げていた。
佐木氏は、北九州市出身ということもあり、九州に馴染みがある作家である。
番組の中では、佐木氏の作品「復讐するは我にあり」に焦点を当て、
映画化になった経緯やエピソードを語っていた。
こんな番組を民放が制作するなんて、九州ならではだと思う。
「復讐するは我にあり」・・・
昭和38年、福岡で起きた殺人事件を皮切りに、東京・浜松などで連続殺人を起こした
西口彰の生涯を描いた作品。
佐木氏は、この作品で直木賞受賞。
自身にとって出世作となる。
1976年に発表された『復讐するは我にあり』は、のちに奇才・今村昌平監督により
映画化された。
監督 今村昌平
出演 緒形券 三國連太郎 小川真由美ほか
連続殺人鬼・榎津巌の半生を描きながら、親子の確執、男と女の情欲を描く。
とにかく骨太の映画である。
僕はこの映画のDVDを持っているので、100回以上は見ている。
そんな自分でも、知らないことが番組内で語られていた。
例えば、佐木氏自身が出演していること。
浜松の連れ込み宿の客として登場するのだが、良い芝居をしている。
驚いたことは、三國連太郎演じる父が、死刑が確定した息子(緒形券)に面会に行くシーン。
その場で、父は息子へ言う。
「ぬしゃ、罪のなか人しか殺せん、弱か男たい」と呟き、息子にツバを吐きかける。
(九州弁: お前は、罪の無い弱い人しか殺せない、弱い男だという意味)
緒形氏の表情が一瞬、凄まじい表情になり・・・
「あんたを殺したかぁ・・・」と言う。
親子の確執を決定的とする、今村演出が光るシーンである。
今村監督は、緒形券本人には、ツバを吐きかけることを言っていなかった。
台本に無かったことを突然やられた緒形氏は、役作り以上の芝居ができたのでは
ないだろうか?
佐木氏が何気なく語っていたことだが、凄く衝撃を受けた。
さすがは、今村監督のなせる技である。
またそれを許してしまうのも今村監督が持つ力だろう・・・
改めて、映画を見たくなった。
VTRは興味深く見れたが、スタジオのパネラーたちのリアクションの薄いこと。
ちゃんと映画見て来いよ!と言いたい。
僕をスタジオに呼んでくれたら、2時間くらい喋るぜ!
九州で起きた未曾有の連続殺人事件を描いた「復讐するは我にあり」
是非、本を読んで映画を見て欲しい。
今村監督が描きたかった世界を垣間見ることができる。
また今夜見てしまいそう・・・

