中目黒の夜 | コーキのテキトーク

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20年間の東京生活を綴った「東京エスケープ」



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僕は、東京にいた20年間の中で、13回引越しを行っている。




その中でも、もっとも印象的な引越しの話・・・




時代は、16年前の1995年。




まもなく30歳になろうとしていた僕は、わけあって東京の中目黒に住んでいた。




わけあって中目黒というのも変な話で、本来中目黒は、オシャレな洗練された街である。




東横線と日比谷線が乗り入れていて、渋谷からも電車で、5分とかからない。




都内でも屈指の高級住宅街でもある。




そんなところに住んでいたんだから、良い収入があったとおもうだろうが、




実は中目黒で4万円のアパートに住んでいた。




中目黒で4万円というと、風呂なしトイレ共同、四畳半のみすぼらしいアパートである。




しかも、家具やテレビなども失っていたから、部屋には布団しかなかった。




人生の中で、初めて味わったテレビの無い生活。




何もやることがなくて、このときほど、本を読んだことはない。




この年のはじめからこのアパートに住み始めたのだが、望んで住み始めたところではないので




とにかくここから出て行きたかった。




その思いは、日を重ねる毎に増していき、ここから出る決意を固めた。




出て行くためには、金が要る。




このとき、レギュラー番組をやっていて、このギャラだけじゃ、引越し資金には




おぼつかないから、さらに2本の番組を掛け持ち、昼夜を問わず馬車馬のように働いた。




その甲斐あって、わずか1ヶ月で、引越し資金100万円を用立てた。




3月の初め頃から、不動産屋めぐりを開始した。



 

三軒茶屋の不動産屋を何軒かまわり、おしゃれな物件を発見した。




場所は、三軒茶屋から出ている世田谷線沿線の松陰神社前。




内観を見たとき、ココしかないと即決した。




家賃は、9万円くらいだったと思う。




1kのマンションだった。




東京の家賃は、異常だ!1Kマンションが9万円とは・・・




家具を購入するため、秋葉原へ現金を持参して行った。




テレビ、コンポ、洗濯機、乾燥機、冷蔵庫を即金で買った。




とにかく現金で買うからということで、値切りに値切り倒した。




さらに、家具を購入するため渋谷のロフトへ行った。




ロフトの家具は高いけど、オシャレな本棚とデスクを買った。




生活を一新するため、すべてを新しく、オシャレで格好の良いものが欲しかった。




これに引越し屋の料金を払ったら、キレイにお金は無くなった。




すべての準備は整った。




引越しは、4月に入って第一週の日曜日に決行することにした。




引越しまでの1ヶ月間、とにかく待ち遠しかった。




一刻も早くここから引っ越したい。




1分でも1秒でも早く出たかった。




指折り数えて、その日はやってきた・・・




いま僕は、そのときのことをよく思い出す。




なぜなら、再び引越しが控えているからだ。




しかも今回は、生涯初の新築マンションだから、前回よりも期待が膨らむ。




16年前、松蔭神社のマンションへ引っ越す日を、指折り数えた日々。




そして再び、そんなもどかしい日々を過ごすことになるなんて・・・




布団にくるまり、司馬遼太郎の本を読み漁っていた寒い「中目黒の夜を」忘れない。




       「もうそんなもどかしい気持ちになることはないだろう・・・



              だって僕らは、終の棲家を見つけたんだから・・・」




    

        夜明け過ぎの二月の雪


        きみの部屋を見上げ続けた


        ときめき いたみ 眠れぬ夜の過ごし方をはじめて知った


        きみにいつまでも見とれたい  なにもいらないよ

   

        きみを愛してるよ  こころの底から


        愛は命よりも前にあるから・・・


                  ♪「プライマル」 by オリジナルラブ