交通事故においては、後遺障害がよく問題となります。後遺障害というのは、治療を継続しても症状の改善が望めない状態において身体に残存している障害のことをいいます。そして、後遺障害逸失利益というのは、後遺障害が残存したために失った、被害者が将来にわたって得られるはずであった利益のことをいいます。 
本件カローラの右後部ドアの開放角度が狭いと、本件バスの左後部乗降ドアと接触した際に閉まってしまうことになり、そのことは証人乙野春男の証言からも窺えるところである(証人乙野春男の尋問調書二一頁)。また、同証人の証言によると、本件カローラの右後部ドアが六〇ないし七〇度の角度に開放されていれば、本件バスの左後部乗降ドアと接触した際に閉まらないというのであるから、前記の本件バスの左後部乗降ドアの青色線状痕の高さとの関係も考慮すると、本件カローラの右後部ドアは、本件バスの左後部乗降ドアと接触する際、六〇ないし七〇度の角度に開放されていたということができる。この時の本件カローラの右後部ドアのせり出しの長さは七八ないし八四センチメートルである。
交通事故による怪我の治療に要した通院交通費については、原則として、現実に支出した費用が交通事故の損害として認められます。金額としては、自家用車を利用した場合には、ガソリン代、駐車場代、高速代等の実費相当額が、損害として認められます。また、電車やバス等の公共交通機関の料金の限度で認められるのが原則ですが、タクシーによる通院であっても、それがやむを得ない場合にはタクシー代も損害として認められます。