6:あいつら | may05soonのブログ

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ある日、他のクラスの子が私を叫びながら呼んだ。

「弟が今大変だ」

ベランダから上を見ると、

手すりに上半身のけぞって顔面を押さえつけられている弟の姿があった。

 

私はダッシュで弟の教室に向かった。

相手を離し、馬乗りになって殴った。

相手は鼻血を出していたが、どうでもよかった。

 

私も羽交い絞めで離され、大声で「何がこうなるんだ」と言うと

外国人が国語の点数で100点を取った。

 

そんなちっぽけな理由で弟を3階から落とそうとした相手に

私は「死んでしまえ」と叫んだ。

そこから弟のランドセルはくぎを刺されたり、

歩いているとレンガを当たらないように近くに投げられたりしていた。

そんなことも知らず、そのことを機にぽつりぽつりと周りから私に話してきた。

 

その事件からしばらく経って私は弟にただいまというと弟は返事をしなかった。

 

それにいら立った私は弟にこっちを向いてお帰りっていうんだろというと、

弟の左顔面が他人になっていた。

 

「あいつらだ」

 

私は階段を駆け下り母に弟の顔面が大変な事になっていると言うと、

母と階段を駆け上がり母は「誰にやられたんだ」と大声で話した。弟は何も言わず黙っていた。

 

あんなに成績が良かった弟が点数を取ることも怖かったんだろう。

ランドセルや机の引き出しからはみ出したテストを見て母は震えていた。

 

何も言わない弟を病院に連れて行き、学校長のもとに行った。

若いお母さんが過保護に喚き散らしているという感じで全く相手にしなかった。

母は子供を見たら問題は大きいだろう。PTAや世間に言うと話したそうだ。

子供の喧嘩程度の認識だった校長も後から入った弟を見てただ事ではない顔をしたという。

すぐに誰がしたのかが判明した。

あいつらだった。

 

大問題となり、家にすぐにあいつらとあいつらの親が来た。

私は二階の窓から見ていたが、母の声は聞こえていた。

許してほしいというあいつらの親、絶対許さないという母。

結局学校も間に入り二度とこういったことをしないということで話はついたが

、弟はこの家に来てどんどん心を閉ざすようになった。

 

決して自分の国籍に誇りを持っていたわけでもない。

行ったこともなければ知らない国。

今の今まで何の気もなく生きていたことに生きづらさを感じていたのかもしれない。

 

私は体が大きくこの学校が嫌いと思った瞬間から

学校では威圧的な態度で振舞ったおかげかいじめにあうことはなかったが

弟は小さいからか標的。

 

ひょうきんな性格で人を笑わせることが多かった弟はもういなかったが、

少しずつ家族には心を開いていってくれた。