呼んだ
そろそろ麦の出番かな
もんちゃんのことなら知ってるよ
誰かが扉を閉め忘れて、何度か会ったことがある
もちろん挨拶は
「シャー」
だったけどね
うん、もんちゃんもいっぺんにみんなに会うのは疲れちゃうだろうし
ネットで"先住ねこさんとの対面方法"調べたんだけどね
もんちゃんと麦ちゃん達3匹が怖くない方法でできたら良いなぁ
できれば仰々しくないやつで…
麦ちゃん達がシャーシャー言ってると、多分、お父さんが心配するでしょうから
もんちゃんがずっと隔離部屋にいるより、家で自由にしていてくれた方がお世話が楽になるし、家の中のいろんな物や音に慣れて、いつか新しいおうちに行った時にも適応が早いのではないかなと思っているの
麦ちゃんに最初に会ってもらおうかな
隔離部屋に1番興味を示していた麦ちゃんに白羽の矢を立てて、対面してもらうことにしました
「さぁ、わが家の切り込み隊長、麦ちゃん、もんちゃんをお願い」
わたちも麦ちゃん知ってました
麦ちゃん待ってください
めっちゃ仲良しじゃん
もんちゃんと麦ちゃんはすぐに仲良しにもんちゃんは麦ちゃんのことが大好きみたいです
そこで、もんちゃんの隔離部屋の扉をオープンにしておくことにしました
ある日の夜、リビングに誰か来ました
こんばんは
あの〜、麦ちゃんいますか
あ、もんちゃん
どうぞ入って
失礼しま〜す
コペンは大きいけど怖くないよ
わたちがきなこです、あなたはだあれ
やっぱりちょっと、遠慮しておきます
それでも隔離部屋のドアを開けて自由にしておきました
徐々に慣れてきてキッチンに来たり、ねこ同士でコミュニケーションをとるようになりました
良い匂いがしますね、食べるものをください
時は、得体の知れぬ新型の感染症が日本にも広がり始め、ペーターの第一志望校の受験、中学の卒業式などが自粛の中で行われていた頃です
"保護ねこもんちゃん"の里親さん探しまでは手が回らない状態でした
もんちゃんは持ち前の明るい性格と旺盛な好奇心で、ペーターの心を捉え、わが家のねこ達との親睦も日々、どんどん深めてゆくのでした
つづく