せつなかった…

卒業後は 一緒にいられない。
二人は別々の道を歩むしかないのだ。

それがわかっているから、余計に苦しかった。
「来年」を約束できない事が、これほど辛いとは…

こんなことなら、想いは胸に秘めたまま
卒業を迎えた方が良かっのかもしれない。


もともと、女子学生の少ないクラスだった。

言葉を交わすようになったのは
いつ頃だったか…
きっかけは覚えていないのだけど。

もしかしたら二人共同じ必修科目を落としてしまったことかもしれない。
進級がかかってくるテストを控え
互いに情報交換をしていた。

そして
いつの間にか、気がつくと
彼の姿を目で追っている自分がいた。



流れた歳月など存在しないかのようだった。

毎日講義を受けた校舎は
あの頃のまま何一つ変わることもなく…

教室のドアが今にも開き、
彼らが出てくるのではないかと
錯覚を覚えるほどで…

言いようのない感情に襲われた。
膝から力が抜けて、立っているのがやっとだった。
流れてしまった時の重さを実感したのだ。
それは予想していたことだったが
やはり失ったものの大きさは
なくしてみて初めてわかることなのだろう。