「武蔵野にて」
白い小径(こみち)かくして
朝露のおしゃべり
武蔵野の夜明けを
あなたと歩いて
思わず頬をよせた
あの時の私が
懐かしく哀しい雑木林
流れる雲 萌える緑
二人だけの武蔵野
あふれる愛
風のメロディ
今は遠い思い出
朝倉理恵が歌った杉紀彦作詞、坂田晃一作曲の曲で、あまり有名にならな
かったのですが懐かしい曲です。国木田独歩が美しいと絶賛した武蔵野の雑
木林をイメージして恋愛感情と重ねられた詩で、曲調も詩に合っている美しい
曲だと思います。
武蔵野のような人家近くの雑木林は、元々の自然な森林ではなく、ナラやクヌ
ギなどの落葉広葉樹を植えて木炭や薪の原料としたり、落葉や下草を肥料に
利用するための人工林だということです。
雑木林は、春の芽吹き、夏の深緑、秋の紅葉、冬の枯葉が舞う風景などの
四季を顕著にあらわし、それぞれの風景や花や植物の芳香などが快いものを
感じさせてくれる場所です。その快さは人類のDNAに記憶されていて、懐かし
さやロマンをも感じさせてくれるのだと思います。
また、雑木林は様々な植物、昆虫、動物などが生息できる環境で、それぞれの生物がバランスを保って一つの世界を造っている場所でなので、その多様性、バランスの良さが快さにつながっているような気がします。
