男として生まれていたら、きっと野球をやっていたと思います。こどもの頃、大好きなマンガは《ドカベン》でした。夕方のアニメ再放送を観るために、友だちと遊ぶ約束も断って帰ってきていましたし、夏休みはずっと甲子園大会を観ていました。憧れのお兄さんたちは、やがて歳下になっていくわけですが。
行進曲アレンジをしたのは、久石譲なんですね。ああもうどんな巡り合わせ…!
できることなら私も甲子園に行きたかった。タッちゃんに連れて行ってもらうんじゃなくて、自分で行きたかった。アンダースローを覚えたら《野球狂の詩》の水原勇気のようになれるんじゃないかと、真剣に考えたこともありました。私は浅倉南ではなく、水原勇気になりたかったのです。
今は野球部に入れますけどね、女子も。当時はダメだったので、せめて応援をと吹奏楽部に入りました。が、私の入学した高校の野球部は、弱かったんです。ハハハ。
この曲、大好きなんですよ。せっかくなので初代レコーディングの、伊藤久男ver.でどうぞ。
何がいいってね、何回聴いても泣きそうに心にグッとくるのが、
いさぎよし 微笑む希望
ああ 栄冠は君に輝く
ここね!ここ。
「いさぎよし」のメロディはAメロ5小節目の「天高く」と同じですね。Aメロは「天高く 純白の球 今日ぞ飛ぶ」で一旦Aメロとして完結するのですが、「いさぎよし 微笑む希望」ではメロディが上昇していきます。絶妙に高揚感を煽ってくるスタイル。
そしてクライマックスを、栄冠の「え」に持ってきて、日本人の琴線をブルンブルンに震わせにかかります。
栄冠の「え」は、前述の「純白」の「ぱ」と同じ、C2の音。一番大事な歌詞に、一番いい音を載せています。恐ろしい感性ですね、古関裕而。
この曲はいろんなアレンジがあります。何年か前のCMでは、女子高生のダンスver.もありました。お好みはいろいろありましょうが、私は高校の吹奏楽部が演奏するとグッときます。
行進曲アレンジをしたのは、久石譲なんですね。ああもうどんな巡り合わせ…!
「若人よ いざ」の裏で鳴るトランペットね。
いー(パーッ)ざー(ッパパパパ)
ここが超カッコいい。何百回聴いてもしびれる。この青空に高らかに鳴り響く様。
そしてうっかり聴き逃しそうになりますが、全編に渡ってひっそりと、しかし確実に存在するピッコロ。これがあるとないとで大違いです。締まりません、特にイントロ。
また語りだすと全パート触れて長編になるのでこの辺にしておきます。締めの言葉とするならば、名曲はどんなアレンジでも名曲である、と。再認識した次第です。
娘は野球に興味のカケラもありませんが、どうしたことか《栄冠は君に輝く》には興味を惹かれたようで、当時保育園児だった娘にねだられて、楽譜を書いてやったことがあります。嬉しそうにピアノで練習していました。
というのを、今唐突に思い出しました。名曲は、時代も年代も飛び越えて、誰が聴いても良い曲だと感じるものなのですね。
朝ドラでは、おそらく明日、佐藤久が歌うことになるんでしょうね。それまで、上の伊藤久男の歌声でお楽しみください。
いやあ、いい曲だ。
