そろそろオープニングものは終わりにしたいと思っていたのですが、石原裕次郎とパークハイアットでアフタヌーンティーを堪能する夢を見たので、まだ書きます。刑事ドラマ編も書けよ、という啓示ですかねこれは。

よし、じゃあね、やるよ。



昭和感あふれるこのドラマ。これをセレクトした時点でもう、刑事ドラマ編も複数回になりそうな予感がしています。ていうか、今回この曲だけで終わるんじゃなかろうか。

《大都会 partⅢ》のオープニングからどうぞ。荒川達彦の傑作を、高橋達也と東京ユニオンが高らかに。



イントロのピアノ、このバッキングがまずいい。後述しますが、この曲のピアノは全編通してキモになります。

ピアノの爽やかさとは裏腹に、車間距離ツメツメのパトカーと高度低めのヘリコプターが印象的な出だし。中澤健二のキレッキレなトランペットと同時に現れる渡哲也。もうもうもう、ドーパミンどばー!ですよ。はああああ、カッコいい。しみじみカッコいい。

そして次に出てくる寺尾聰。


いやあ、私、皆が渡哲也を推す中で寺尾聰でしたし、高品格がいいと言われても高城淳一でした。ハハハ。

私の推しはどうでもよくて。


中澤ペットのAメロとA'メロの最後の音が、半音違うのですよ。

  ソドレミ♭ソ|
  レードレード|レードレドミ♭ファ
  ソーーー|

この最後のソーーーのところ、A'ではファ♯、いやソ♭になっているのですが、これが最高にエモい。うれションレベルでカッコいい。すげえ!と思いました(語彙力)。ぜひ確認してください。


トランペットに耳がいきがちですが、密かにピアノがめっちゃいい。3時と9時にいるリズムギターと11時あたりのピアノが、それぞれに16ビートで暴れています。暴れているのをまとめて引っ張ってるのは、これまたイカしたベース。

このテンポ、ドラムは16ビートなんじゃないかと咄嗟に思いますが、多分これ8ビートで叩いてるよね。この緊迫した疾走感を支えているのは二本のリズムギターとピアノですが、だからこそのドラム8ビートかもしれない。ドラムまで細かく刻んだら、Bメロとか特に16で刻みたくなるけど、ハイハット開いてツッチーツッチーなってるのがものすごいハイセンス。

一番、二番、三番と進むごとに、隙間を埋めるピアノの音を探したくなります。さらにその隙間をリズムギターが埋めてるのよね。相当合わせていかないとカオス。ベースとドラムあってこそ、まとまっている曲です。

あとね、東京ユニオンはフュージョン寄りなのですけど、バッキングのブラスも相当キレてます。ああ東京ユニオンだ、っていう安心感のあるキレとコク、みたいな。



最近の音楽は打ち込みが多くて、気持ち悪いくらいテンポも正確。逆に、クリックがないとテンポ取れない人も最近は多いです。

《大都会 partⅢ》は、よく聴くとテンポが揺れてるんですよ。Bメロに入ると気持ち速くなっていたりします。Aメロはメロディ以外はタイトにビシッとしてて、中澤ペットは気持ちよーく後ノリ気味なのだけど、Bメロでメロが他の楽器に渡ることで後ノリ係がいなくなって走るのかなあ、とかね。思ったり。

そもそも、トータルで前ノリなのよ。だがそれが気持ちいい。



そんな訳で、やっぱり一曲で終わりました。くどいなー私。

次回予告:西部警察 partⅡ