自分を見ていると

自分はまるで「腫れ物」だ






過去のツラい記憶や

トラウマ

コンプレックス

に触れると

敏感に反応して

痛みや

悲しみや

苦しさが

これでもかというくらい

溢れ出しそうで、

そんな自分が痛々しくて

直視できない








そんな自分を

うっかり他人の前で

さらけ出してしまったらどうしよう

と不安がつきまとい、

他人から刺激を受けないように

毅然とした態度で振る舞い

笑顔やユーモアでごまかしながら

心の奥底ではいつもビクビクして

安全な距離と場所を

確保しようと奔走する






腫れ物の中には

たくさんの

流すことができなかった涙が

氷になって溜まっていた







悲しかったとき

ツラかったとき

流すことを許されなかった涙を

凍らせて長年内側に溜めてきた







氷のうちはむしろ

痛くもかゆくもなかった

それが腫れ物という認識すらなかった








心が緩み

涙の氷が少しずつ解けていく






そして初めて気づいた

自分が腫れ物のように

痛々しい存在であることに






腫れ物の内側では

解けた涙のダムが決壊して

大洪水を起こしそうだ







流せなかった涙は流さねばならない

涙のダムが決壊して大洪水になったとしても







でも怖い

大洪水に飲み込まれて

溺れ死にそうで

怖い






怖いよね‥‥





でも、

涙のダムをせき止めれば止めるほど

次から次へと解けだした涙はたまり

腫れ物はますます大きく膨れあがる







氷の涙が解けだしたら

もう無理して

毅然と振る舞う必要ない

痛々しい自分であればいい

泣きたいときに泣いて

涙のダムを放水していけばいい