ガラハ | のぶろんの秘密基地

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Negiccoと東京女子流をメインにしつつ
はぁぽんちゃあ…



とある街の



とあるアパート



僕はそこに住んでいる。


ここには長いこと住んでいるが、僕はこの家が嫌いである。


白い塗装は剥がれコンクリートむき出しでみっともないし、


鉄製の階段は錆び付いていて、最初からあたかも赤茶色だったかのような顔をしてアパートの端でとぐろを巻いている。


部屋はジメジメして雨漏りするし、まったく人間が住めたものではない。


むしろ今日まで生きてきた自分に拍手を送りたくなるぐらいだ。


今も部屋の隅で白い妖精達がせせり笑っている。


まるで勝ちを確信したような顔だ


気に入らない。




だから僕は








家を出るのだ。



僕はこんな所に留まっているような人間ではない。


もっと羽ばたくべき人間なのだ。


そう思うと不思議と力が湧いてきた。


何でもできそうな気がしてきた。





ふと外を見ると雨が降っていた。風も強い。


風は全てをなぎ倒さんとばかりにあらゆる物を横殴りにしている。


通り行く人々は建物へ避難したり、必死に傘で防ごうとしている。


しかしそれも無駄な足掻きのようだ。すぐに吹き飛ばされてしまっている。




こんな天気はこのアパートには大敵なのだが、もう僕には関係ない。




ついさっきからこの部屋は僕の物ではないのだから。


水浸しになろうが知ったこっちゃないのだ。



だから外の風も僕には関係ない。



どんなに強くてもその中を駆け抜けていける。


そう確信できた。




迷いはない。




こんな事で




こんな所で



諦める訳にはいかないんだ!














鉄でできた扉は




いつもよりも軽かった。




不愉快な音もしなかった。








風が







僕を祝福してくれた







風が







僕の背中を押してくれた








僕は




ただひたすらに走った。