真夜中。
私は1人、暗くも明るい街を歩く。
何も持たず、
ただ、体ひとつ。
他はいらない。それだけで充分だったから。
通りすぎる大人達からは、お酒の臭いがした。
男と男。男と女。女と女と女。男と女。男と男と男と女。女と女。
みんな顔を赤くして、だらしない。
あなたを見つけるのには、それ程時間は掛からなかった。
通りから少し外れた流行らなそうなコンビニ。そこにあなたは立っていた。
肩幅があるのか、腰が細いのか、不格好な体格に飾り気の無いプリントの入った白いTシャツ。
なんて不細工、そう思ったけれどその時、
私はあなたに決めたの。
理由は簡単。すぐに私の物になると思ったから。
私のカラッポのカラダを満たしてくれると思ったから。
もう、何でもよかった。
良くないと分かっていても、やめられなかった。
もう、止まらなかった。
見回すと、店に人はいなかった。
レジにも誰もいない。
思わず私はあなたを掴んで外に飛び出した。
心の中で、
私は誰かに謝った。
男と女が
コンビニに入っていく。