火災が発生すると、報道機関からコメントを求められることがあります。
出火原因が何だろうか、問題点はなかったのかなど、様々です。
火災自体に話題性があったり、興味を惹くようなコメントが得られると、放送されるようですね。
ただ、多くの場合、私自身が直接現場を調べているわけではないので、
得られた情報から推測される、ごく一般的なことしか話せません。
それでは、マスコミの方が納得してくれないことが多いのですが、あまり無責任な発言は、できませんよね。
先日も、「最近、火災が多くありませんか?」と質問を受けたのですが、統計的に増加したというよりも、
多くの人がスマホで撮影するので、ニュース性の高い映像が得やすくなったというのが実情ではないか答えました。
また、「マンションの火災が目立つけど、マンションって、安全なんですか?」との質問もありました。
これも、マンションの火災が特に増えているとは思えませんが、確かに、ありふれた戸建て住宅の火災映像よりもマンションの火災の方が迫力があるので、マスコミが取り上げやすくなるだけなのでしょう。
ただ、マンションが安全か否かは、少々答えにくい問題でもあります。
何をもって安全と見做すかは、人それぞれの尺度が違いますし、価値観も異なるので、一口には言えないでしょう。
また、マンションの建物自体は、木造家屋と比べれば遥かに耐火性能が高いと言えますが、
各住戸内に目を向けると、そこには戸建て住宅とほとんど変わらない状況が目に映るはずです。
私たちの周りにあるものの多くが可燃物ですし、何かの問題が生じれば出火してしまう環境は、マンションも戸建て住宅も変わらないわけです。
能登半島地震があったこともあり、地震対策を考えてくださる人が増えました。これはぜひ進めていただきたいことですが、
一方で、火災により毎年1500人前後の人命が失われ、1千億円以上の損害を被っている事実から目を背けることもできません。
非日常の災害ともいえる自然災害だけではなく、日常に起こりうる火災の対策にも私たちは取り組まねばならないのだと思います。
その後も何度かマスコミからマンション火災に関する質問が続いたので、
マンション火災対策の本を出版することにしました。
対策として何をすべきか、簡単に言い表すことができなかったからです。
宣伝になってしまい誠にお恥ずかしい限りですが、
このたび、下記のとおり、Amazonから出版されました。
ペーパーバック版(紙の本)や2種類の電子書籍版(リフロー版とプリントレプリカ版)があります。
リフロー版電子書籍は、電子書籍リーダーの画面の大きさに合わせて、文字の大きさ・行数・配置が変更されて表示されるので、スマホなどの小画面でも見やすくなっています。
また、プリントレプリカ版は、紙の本と同じような画面構成になっているので、タブレットなどに向いています。
ペーパーバック版、プリントレプリカ版は次のリンクからどうぞ
リフロー版は次のリンクからどうぞ
マンションにお住まいの方、マンション管理に携わる方はもちろん、マンションにお住まいでない方でも、役立つ情報が盛り込まれていますので、ご一読いただければ幸いです。