LaboFB・永山政広の防災ブログ

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減災研究室ラボラトリー・フィードバック(LaboFB)を主宰する永山政広のブログです。防災に役立つ情報を発信していきます!

ジメジメとした季節がやってきます。

高温多湿は、熱中症を引き起こすだけでなく、精神的にも辛いですよね。

一方で、湿度が高いということは、火災の心配が少なくなるのでは、という声も聞かれます。

冬から春先にかけて「空気が乾燥しているから火災に注意!」とさんざん言われてきましたから、

やれやれという気分でしょうか。

湿度が高くなると火がつきにくくなったり、燃え広がりにくくなったりするので、理屈としては合っています。

実際、次のグラフのように梅雨時から夏にかけて火災件数は減っています。

しかし、この季節特有の出火原因もありますから、油断はできません。

それは電気火災です。

次のグラフをご覧ください。

電気器具や配線から出火する火災の比率が、この季節になると高くなっているのです。

どのような点に注意すべきか順を追ってご説明しましょう。

 

Point-1 トラッキング火災に注意

コンセントまわりの火災として代表的なものです。

コンセントとプラグの隙間に埃や湿気が溜まり、徐々に放電を起こし、やがて発火に。

湿気が溜まるとすぐに発生するわけではなく、数日~数か月後と、かなりばらつきがあります。

ただし、防止するのは簡単。プラグとコンセントの接触面を清掃すればOK。

乾いた布で埃や湿気をふき取りましょう。

年末の大掃除から約半年。身の回りを整えるにはグッドタイミングですね。

 

Point-2 夏用の電気器具に注意

エアコン、扇風機など、これまで使っていなかった電気器具が活躍し始めます。

しかし使う前に点検してみましょう。

手順①外観を点検

特にコードが傷んでいないか重点的に。プラグや本体の付け根、屈曲部などにひび割れが生じることがあります。

 

もし発見したら使用を止めましょう。その部分からショートを起こし発火することがあるからです。

手順➁清掃

本来は、前年仕舞う前にやるべきですが、それができなかった場合、使用前に清掃しておくことをお勧めします。

通気口に付着した埃や扇風機の軸に絡み付いた糸くずなどの除去をしましょう。これらを放置すると器具に負荷がかかり発熱しやすくなり、発火に至ることもあるからです。

エアコンの清掃も効果的ですが、慣れない方はフィルターの埃を掃除機で吸い取る程度が無難です。洗浄剤も市販されていますが、電気回路に付着するとトラッキングを起こしたりして発火につながるので、エアコンの構造に詳しくない方には、お勧めできません。専門の業者に依頼した方がよいでしょう。

 

 

手順③試運転

目の届くところに置いてしばらく動かしてみます。異音、異臭、不安定な動作がないかをチェック。もし何等かの異常を発見したら直ちに停止させ、電気店等で点検してもらいましょう。電気火災は、出火前に何らかの異常現象を見せることが多いので、試運転は火災予防に効果あり!

 

Point-3 洗濯物の乾燥に注意

梅雨時は洗濯物の部屋干しが多くなる季節ですね。このとき、暖房機や扇風機を乾燥に使用すると思わぬトラブルの原因に。

例えばファンヒーターを乾燥用に使用した場合、その上に洗濯物が落下し火災に……。冬に多く見られるケースですが、梅雨時にも時々発生します。

また、扇風機を使用した場合も、洗濯物が落下してファンに絡み付いたり、冷却用の通気口を塞いだりすることでモーターに負荷がかかり発火することがありますから注意が必要です。

 

Point-4 虫が火災を引き起こすことも
屋外にある電気機器に虫が入り込んで火災を発生させることもあります。主な犯人はナメクジ。わずかな隙間でも通り抜け、エアコン室外機の端子盤や屋外コンセントのボックスなどに入り込んでしまいます。電気を通しやすい身体をしているので、トラッキングなどの原因になります。

室外機の近くに鉢植えを置いたり、雑草が茂っていたりするとナメクジが生息しやすい環境になってしまいます。

 

火災はいくつかの条件が噛み合って起こります。今まで大丈夫だったとしても、ちょっとした拍子に条件が噛み合ってしまうことも。まさかと思わず、なぜ発火するのかを理解し、危険要因をできるだけ排除して電気製品を使うことが重要ですね。