プノンペンで迎えた初めての朝。
本日はホテルで無料で借りた自転車に乗り、朝8時ごろからプノンペンを駆け巡った。
まず最初に向かったのは、オリンピックスタジアム。
主にサッカーカンボジア代表がホームスタジアムとして利用しているそうだ。
しかし、今回は閉まっており、中に入ることはできなかった。
次に向かったのは、オリンピックマーケット。
ここでは膨大な量の布が売られており、
誰が買い物をするのだろうと疑問に思った。
でも、自分でアパレル関係の仕事をするようになったら、
こういった日本人が踏み入れてなさそうなところから生地を卸してもらうのも面白そうだと思ったりもした。
午前中最後に、トゥールスレン虐殺博物館を訪れた。
以下、トゥールスレン虐殺博物館の説明。(Wikipediaから引用)
クメール・ルージュ支配下のカンボジアにおいて設けられていた政治犯収容所の暗号名である。
2年9か月の間に14,000~20,000人が収容されたと言われ、そのうち生還できたのは8人のみであった。
ここではクメールルージュによって政治家やその家族が殺害された様子を写真に残しており、
自分の立っているまさにその位置で数十年前に誰かが無残な殺され方をしたと思うと、
ゾッとする思いと殺された政治家やその家族は、本当に殺される必要があったのかという思いが浮き上がってきた。
↓実際にこの施設内に人々は収容され、殺害されたそうだ。
さて、朝8時ごろから目的もなく自転車を漕ぎ、疲労を感じてきたので、
一度ホテルで休息をとり、再びトンレ・サップ川の辺りでゆったりと時間を過ごすことにした。
川を眺めているとひとりの10歳にも満たない少女が話しかけてきた。
少女はポップコーンのような穀物が入ったビニール袋を差し出して買うように求めてきた。
結局、断ってしまったのだが、少しだけ話をして彼女は去って行った。
去って行く小さな背中を見ながらこんなことを思った。
この子たちに人生の選択肢はあるのだろうか。
生まれたときから仕事が決まっていて、物心ついたときには働かなければらない。
何を考え、感じて生きてるのだろう。
自分の意志は持ったことがあるのか、恋愛をしたことがあるのか、好きなこと趣味はあるのか、、、
世界にはそんな人たちがたくさんいる一方、自分たちはやりたい仕事を探せる環境にあり、
働かなくても実家にいればご飯がたべれて、世界中旅しようと思えばいつでもできる。
私は彼女ぐらいの年齢の頃は何をしていたのか。
学校に行って友達とサッカーをして、学校から帰ったら習い事に通い、
家に帰れば母親の美味しい晩ごはんがあった。
世界はなぜこんなにも違うのか。
物やお金に恵まれることだけが裕福・幸福だと思わないが、
この国の子供たちは、
人生の選択肢や持っている感情・意志の数は少ないのではないか。
自分が恵まれた環境にいること、その環境に甘えている罪悪感。
自分の力では彼女たちの人生を変えることはできないという無力感を感じる瞬間であった。
さらには、彼女たちは自分たちが貧しいと思い、
人生を変えたいと考えているのだろうかという疑問さえ残った。
川沿いのバーでハッピーアワーのビールを3杯ほど飲みながらそんなことを考えていた。
そのあとは、昨日クリーニング屋に預けておいた洗濯物を取りに行き、
ホテルの近くのレストランで晩御飯を食べ、
ホテルに戻り、一日の自転車レースの汗を流すのであった。
そして、ベッドに横たわり、閲覧注意の下手物の写真を見返し、
やや後味が悪くなりながらも気付いた時には、
真夏のエアコンの中で電気をつけたまま眠りにつくのであった。
明日から、カンボジアが世界に誇るあの世界遺産に翻弄されるなんてまだ誰も気付いていなかった。。。
※閲覧注意!!!!!