雨の多いイギリスだが、今年1月の降雨量はこの100年で最多だったという。一晩中降っている日も多く、各地で洪水被害が相次いでいる。数日前に48時間ストライキを終えて動き始めた地下鉄が、昨日は線路が浸水して運休路線が続出した。田舎に行った時、駅の構内に折りたたみ傘の自販機なんてものがあった(写真左)。これはロンドンでは見かけたことないな。
ラッキーにも晴天に恵まれた先週末、ロンドンのトラファルガー広場では春節、旧正月のパレードが開催された。これは中国国外では一番大きいものらしい。不動産のほとんどが中国人、香港人に買われてしまっているこの街では、春節は大きなイベント。写真のように↓お祝いの言葉や今年の干支の馬の絵や彫刻がショーウィンドーを飾り、スーパーでも中華料理がならぶなど、日本では見られられない光景だった。
ローストの話を何回か書いたので、ちょっと補足。イギリスでは豚バラ塊肉のローストが一般化していて、パブやレストランのメニューには必ずある。豚バラは皮付きで、その皮をカリカリに仕上げるのがコツ。そのためにはオーブンに入れる前にしっかりと皮面を乾燥させておくことが大事、と料理教室の講師も力説していた。付け合わせはポテトとセロリアック(根せろり、和名:カブラミツバ)などのマッシュなどがとても合う。
前に紹介したアパート近くにある有名精肉店 M.Moen & Sons の写真を、晴れた日に撮影してきた↓。ただいまバレンタインデー用に2週間熟成 rack lamb 肋骨付きラムをオススメ中。その肉がローズマリーやニンニクで飾られてずらりと、センスよく窓辺に吊ってある。顔見知りのお兄ちゃんが窓越しに私に気づき、手を振ってきた。
この界隈、Clapham Commonには素敵なお店が軒を連ねているしスーパーも何軒かあり、レストランも充実していてとても気に入っている。でも一番のお気に入りは、歩いて30秒の所にある映画館、Picture House。同系列映画館はイギリス国内に何十軒かあり、小さいけれど新作をどんどんと上映し、カフェやレストランも充実している。
Clapham Picture House には上映室が4つあり、観客の入りをみて、同じ映画でも翌日は小さい部屋に代わっていたり、1週間で下ろされてしまったり、題名も手書きだったりと、とてもロードショー上映館とは思えないこじんまりとした雰囲気がいい。年会員になると映画3本が無料になり、映画代や館内のカフェバーだけでなく近所のレストランやショップなど加盟店で割引がきく。他にも色々なメンバー特典があり、1月中は Jameson Whiskeyのジンジャーエール割り↓が無料だった。ここの Pichture House は小さいのでレストランはないが、カフェバーではチーズやハムの盛り合わせ、サンドイッチ、ケーキといった軽食はある。
そうそう、バーで買ったアルコールをグラスごと持ち込んで映画を鑑賞していいのもここを気に入っている理由の一つ。ロンドンのミュージカルやコンサート会場でも最近はドリンクを持って会場に入れる所が多いが、その場合は必ずプラスチックカップに入れられてしまう。でもこの映画館ではガラスのワイングラスやビアグラスでOK。やっぱりグラスで飲むほうがずっと美味しいよね。
他にも色々と工夫がされていて、毎木、日の午前中には Big Scream という企画があって、1歳未満の赤ちゃん連れでパパママが新作を鑑賞できる。乳母車乗り入れ、オムツ替えの場所まで上映室に設けられる。↑ポスターには「無料コーヒーつき(赤ちゃんにはありませ~ん)」ってある。幼児に大きな映画スクリーンを体験してもらう Toddler Time という30分の映画観賞会もあり、終了後はスタッフと一緒のぬり絵大会が続くなど、小さい子持ちの親達のは強い味方だ。また平日の午前・午後は60歳以上の優待時間があり、コーヒー紅茶、ビスケットまで振る舞ってもらえる。その他、注目オペラやミュージカルをスクリーンで上映する企画などもある。
さてちょっと脱線して豆知識コーナー。クッキーとビスケットの違いは?お菓子のロッテのHPから拝借:アメリカでは、ビスケットというとやわらかい菓子パンのことを呼び、イギリスのビスケットに当たるものはクッキーと呼ぶ。この「クッキー」の語源は、“小さなお菓子”を意味するオランダ語「クオキエ」。オランダ人がアメリカに渡り、クオキエを作って売ったところ大人気となり、あっという間に全土に広がったとか。イギリスのビスケットが貴族の間で発展したのと対照的に、一般家庭のホームメイド菓子として作られたので、気軽に手で固めて作るゴツゴツとした見かけに温かみが感じられものとなった。
雨が多くて遠出が億劫だったこともあり、先月は Picture House で5本も映画を観てしまった。良かった順と感想:1. The Wolf of Wall Street(ウルフ・オブ・ウォールストリート)嫌いだったデカプリオ、見直したよ。あっという間の3時間、単純に面白かった!一杯笑った。2. American Hustle(アメリカン・ハッスル)ひねりひねりのどんでん返し。ジェニファー?ローレンスが最高!3. Railway Man(レイルウェイマン・運命の旅路)戦争の悲惨さ、心の葛藤を陰気にならずに描写していて心が暖かくなった。4. 12 Years a Slave (それでも夜は明ける)奴隷制度、現実はこんな生易しいものじゃなかっただろな。5. August: Osage County(8月の家族たち)メリル?ストリープの演技力には脱帽、ジュリア?ロバーツはちょっと鼻についた。舞台劇を元にしてるせいか、どこにも行かずに終わった感あり。
そして手軽に門をくぐれるもんだから、映画を観なくてもついついカフェバーに寄っちゃってる、大好きな映画館。










