1枚目の下段は修正前図案です。前デザインと新デザインの線が混在して引いてあります。
(1,2弦ポストが若干下側[高音弦側]に逸れてる。そのため上側[低音弦側]の2弦用ポストを優先して一直線上に弦が張られる位置にしてある)
2枚目上段の図案は更にその前のものになります。
2枚目下段の図案は担当者が前オーダーメイドモデルを基に描いた赤鉛筆で修正する前のものです。
次の3枚目の手描きの図案を基にして最終デザインへと赤鉛筆で修整を行い、1枚目の図案に決まりました。
【仕様について】
2年くらい前にも述べましたが月日が経ちすぎてるのであらためて記したいと思います。
マシンヘッドは5:2の配置ですが、これは純然たる6弦ギターのヘッドになります。
理由は斯々然々(カクカク・シカジカ)です。
・ ・ ・ ・ ・ ・
ただでさえ訳分かんない奴がやってるブログだと思われてるのにそれ以上訳分かんなくするなって?
私はちゃんと躊躇いましたからね?
本当に言っても良いのですね?
理由はMusic Man(ミュージックマン)みたいにダサくならないようにするためです。
↓
いえいえ、全体のバランスを取ったまでの結果です!!
某社には何の恨みも無いのですが、4:2のヘッドストックなんて誰でも思い付くことなのにESPに文句を付けて、ESPのあるレギュラーラインモデルを4:2 → 3:3 に変えさせてしまったみたいです。
さすがアメリカ様ですね。
そしてESPにはちょっとは戦って欲しかったです。
「うちは4:2は4:2でもお前んとこみたいにダサカッコイイのを通り越して、ちゃんと普通にカッコイイって!悔しければデザインとしての優美性の面で俺等に勝ってみろ!」って。
そしてこれがそのモデルです。
これが外国製だったら今頃日本人にもっと売れてるだろうデザイン性の高いモデルであると私は敢えて言います。
相変わらず正式アナウンスはされてませんし、
(よくある企業側の「都合により予告無く仕様変更します」的なやつだと思います)
画像検索でもこのスタンダードモデルの両連ヘッドはまだ出て来ませんでした。
このマシンヘッド配列が今ではこのように両連に変わってます。
こうするとこのボディーシェイプ独特の菱形で変形型で不均衡的形状に対するヘッドデザインが、バランス的にギター全体としては微妙に上手く纏まらなく成り気味に見えてしまうのですね。以前と較べてしまうと。
このモデルは初音ミクモデルですが、他のストリームGTのカスタムモデルなども全部両連ヘッドに変わってしまいました。
菰口雄矢モデルなんかもバランスの取れた
4:2のヘッドストックだと思います。
私のはここまで上手く纏めるデザイン力が無かったのと、
今回は変形ギターだと言うことで、
ヘッドも余剰パーツとして敢えて1個余計に載っけて
“ 変形感 ” の雰囲気を出しつつボディとヘッド両側での調和を図ってみました。
今回は段無し角度付きヘッドで造ってもらうつもりです。
段無しと言っても一応段は付いてます。
既存の段付きフェンダータイプベッドよりはずっと段が少ないのが、ESPの段無し角度付きヘッドの特徴です。
【段無し角度付きヘッド】
ヘッド角度付きでも段無しにするとその分だけ弦の張力が全体的に弱めになるようです。
そして段が無い分だけ段付きよりも全弦に渡って似たようなテンション感を得れるのが特徴です。
もうひとつ私が着目している部分があります。
段が少ない分、ネックからヘッド部にかけての段の裏側の連結部分もより滑らかに成形されていることです。
段付きヘッドのほうは横から見ると、裏表ともに段差を大きめに付けていてカクカクとクランク状に成形されてるのがよく分かります。
私が段無しを選んだのには…
弦楽器としての適正な弦張力を稼ぐためにある段差部分で、振動エネルギーの良からぬ分断がなるべく起きないようにという願いみたいなものです。
デザインでは主に意趣的な部分に大きく口出しする訳ですが、設計的な部分についてはプロにお任せする部分が大な訳ですよね?
(私は設計的な部分にも口出ししていますが…)
どれくらいギターとして素晴らしい出来に近づけられるかなんて、見た目の部分とか、「こういう仕様が多分理想的だろう」だとか、そんな素人目線の部分でしか設計には口出し出来ないので、段無しもそんな要素のひとつでありますかね。
ESPは吊るしやオーダーメイド品に限らず、各人の職人さんの色を製品に極力反映させないようにしていて、ESP製品としてのクオリティを一律に出すことを目指しているようなところみたいです。
そんなことを知ってると尚更楽器としての設計部分にまで大きく関与したくなる気持ちが出てしまいます。
勿論、ESPにも一般ユーザーにわざわざ言わないようなノウハウや技術力があり、実はそれが普通のギター工房を凌駕している部分があることも知っています。
はっきり言って、そういう職人的な知見やノウハウのお有りな拘りの個人工房の方に前もって見てもらい、
例えばこのヘッドデザインについてなどの意見を知りたい気持ちでいっぱいなのですが、そんなことは当然出来ません。
そんなことは当然出来ないので、他で私の出来得る限りのことを全部やろうとしたら、主に意趣的な部分についてのデザインや、創意工夫したアイデアについてだけは究極的なものに近付けられたかなと自負しております。
ある拘りの職人気質な工房の方はこう言ってました。
日本人はそういうところが弱いし、俺も弱いと。
そういうところって、今私が言ったところです。
主に目に見える部分での独自性やら意趣的な部分について考案したりする発想力やら創作性のことです。
製作家や職人さんとかは言うまでもなく…
普段はあまり目に見えない部分として発揮される職人としての長年培った技術力とか、製作に対する矜持、独自のノウハウとかって正にモノ作りの中核となる部分なんだろうと思います。
これはもしかすると…
もしかするとですよ?
ESPはそこの部分での個人としての拘りよりも、ギターメーカーとしての全体的にある水準での一律的なクオリティを目指した結果、
目に見える部分での独自性に熱意を振り向けることが割と出来ていて、その結果、他のメーカーや工房製にはない見た目に創作性に富んだモデルが多いのかもしれません。
普通のメーカーは、目に見える部分で取り敢えず平均点以上を取れているか、その付近にいれば良しとしているように見えます。
日本文化として支配的な和の精神。
意趣的な部分での創意工夫にはあまり思想的に入り込ませ過ぎないほうが良いのかもしれません。
最近ついた嘘、教えて!
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