ビルの中にある築土神社
靖国神社からほど近い場所に、平将門公を祀る築土神社があります。
見てのとおり、変わった立地で、鳥居がビルの入口にあり、参道がビルの通路です。
ビルの中の参道をくぐると・・・、
ビルの中庭に鎮座する築土神社!
西暦940年に、将門公の首を祀り、将門公を祭神として現在の将門首塚付近に創建され、
室町時代に、現在の(日本武道館がある)北の丸公園の地に移転され、
その後、江戸時代の江戸城拡張工事にともない、神楽坂にほど近い筑土八幡神社の隣地に移転されたのですが、
空襲により社殿が焼失してしまい、戦後、現在地に移転されてきた(北の丸公園の地にあったころに近くなった)という、流転の歴史を持ちます。
将門公の首を納めたと伝えられる桶も、残念ながら空襲により焼失してしまいました。
同じく将門公を祀る神社として有名な神田明神がありますが、
元々あった神社に将門公を神として追加された神田明神と違い、
築土神社は将門公を祀るために創建された神社です。
まさに将門神社と言ってもおかしくない神社なのですが、
神田明神と同じく、明治時代に政府の指導により、
天皇家から見て逆賊の立場になる将門公は祭神から外されてしまいました。
将門公が築土神社の祭神に復活したのは、平成2年と、ごく最近です。
しかも主祭神ではなく、相殿神という脇役に下がってしまい(今の主祭神は日本神話に出てくるニニギ)、
戦後になっても、天皇家と争った将門公を祀ることをあまり大っぴらげにできない諸事情があったものと思われます。


