人類は誕生以来、進化と共に脳を発達させて来た。現代人の脳の重さは実に体重の2%にも達する。しかし人類の脳が将来的に、さらに肥大化することは非常に考えにくい。なぜなら首や背骨が支えられる頭部の重さには限界があるからだ。つまり陸上生活を前提とするなら二足歩行であれ四足歩行であれ、脊椎動物の脳の発達には重力の大きな制約があると言えるだろう。
その点で比較した時、頭足類の脳の発達には一切の制約がないように思える。もしもイカやタコが知的生命に進化していたら、一体どれほど高度な文明を築いていたのだろうか。