北朝鮮の拉致問題について話し合う、「中学生サミット」が10日に初開催された。これが被害者及びその家族の方々に向けた、純然たる政府の決意表明であるならば、まさに素晴らしい取り組みだと言えるだろう。しかし相手が我が国と正式に国交を絶つ北朝鮮であり、テーマがその解決に軍事行動を予定しない拉致問題であり、さらにそれを教育に昇華させている点が、あまりに出来過ぎているように思えてならない。つまりこれは年々増大する中国の脅威と湧き上がる軍拡論、そこから国民の関心を逸らすために政府が周到に用意したダミーではないのだろうか。
もっとも分かりやすい悪役を仕立て上げたところで、それに対してすら正義のヒーローたり得ない、そのような日本政府の外交及び国防姿勢は情けないの一言に尽きる。ならばいっそ国家予算を丸々、仮面ライダーかスーパー戦隊の制作費に充てて、せめて子供だけでも立派に騙して見せてほしいものである。