ウクライナ戦争が長期化する中で、ロシアは国際的に孤立を深めている、というのは誤った見方であるらしい。ロシアは世界有数の小麦生産国であり、アフリカや中東の諸国は食糧確保の必要性から、表立ってロシアを非難することは出来ないのだ。加えて言うならば欧州によるアフリカ蹂躙の歴史はあまりに凄惨であり、彼らが過去を水に流して欧米を支持することは極めて難しい。
少なくとも20世紀において、世界の価値観とは即ち欧米の価値観であった。そして日本も当然のようにそれを共有していた。しかし新興国の発展によって、相対的に欧米の政治的・経済的支配力は弱体化している。ならば私たちも欧米に寄り過ぎることなくそれを一勢力と捉え、世界を公平に見つめ直すべきではないか。