環境問題として、最も大きな関心を集める議題といえば恐らく地球温暖化の問題であろう。兼ねてより二酸化炭素の排出量削減が叫ばれていたが、近年では脱炭素社会、持続可能なエネルギーなど、スローガンばかりが独り歩きしている印象を受ける。
さて俺が子供の頃、環境問題で一番に騒がれていたのはオゾン層の破壊である。南極上空に大きく空いたオゾンホール、そんな気象映像を学校で何度となく見せられたものだ。しかし俺は、それがどのように決着したのかを知らない。いつしかメディアや活動団体が事態改善を促すこともなくなり、それが解決したのかも定かにされぬまま、オゾン層破壊の問題は形骸化してしまった。
環境問題とは、誰もがどんな形であれ取り組んでいかなくてはならない、全世界の共通課題である。だからこそその議題は、ヒステリックなトレンドであってはならないと俺は思うのだ。