語らぬ美徳と社会の情報化 | まきしま日記~イルカは空想家~

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ちゃんと自分にお疲れさま。

近年ではSNSやYouTubeなどで、大きな認知度を得た一般人が政界進出やビジネスのチャンスをつかむ事例が増えている。それ自体は決して悪い風潮ではないのだが、問題はそれが高名も悪名も問わない点だ。つまりたとえ迷惑行為であれ人より大きな声を上げる、それが成功の秘訣となってしまっているのだ。

 

不言実行という言葉があるように、古来より日本では多くを語らぬことを美徳としてきた。そしてそれは周囲の人たちの、語られずとも相手の気持ちを察する共感力や理解力を前提としている。しかし社会の情報化が進んだ結果、人々にそのような想像力が欠如してしまったのだとしたら、何と悲しいことだろうか。