なろう系アニメがすこぶる評判が悪いらしい。俺も詳しいことは良く知らないのだが、「異世界ナンチャラカンチャラ」と題された作品は大抵がとある素人小説投稿サイトに寄せられたものであり、それらを総じてなろう系と呼ぶらしい。異世界という題材自体がすでに飽和状態なのに、ましてそれを素人が書いているのだから、内容の出来は推して知るべしだ。
ではなぜアニメ業界において、素人投稿作品が重宝されるのか。思うにそれは、アニメ制作側にとって非常に都合が良いからだろう。アニメ制作会社にとっての至上命題は、とにかく期日までにアニメ作品を完成させることだ。いちいち原作者の意向を聞いている余裕などない、それが彼らの本音だろう。ならば原作者が一介の素人であればどうだろうか。わざわざ顔色をうかがったりせずに、遠慮なく手抜きをしてやっつけ仕事でアニメ制作を進められるだろう。
しかしそのようにしてプロ意識の欠片もなく作られたアニメ作品が、秀逸作であるはずがないのは火を見るより明らかだ。我々は1本の名作アニメと出会うために、一体何本の駄作アニメを1話切りすれば良いのだろうか。