先日何気なく、ネットで地球の歴史に関するドキュメンタリーを観ていて、そして俺の中の常識が180度覆された。地球が誕生して46億年。そして今からおよそ40億年前、地球最古の生命はなんと海ではなく、マグマ溜まりの上の地底湖で誕生したというのだ。そしてそれが数億年かけて、地下水を通じて海洋へ進出していったという。「そんな馬鹿な」、俺は思わずウィキペディアで調べてしまった。すると現在、生命は深海熱水孔で誕生したという従来説と地底湖で誕生したという新説があり、それが真っ向から対立しているらしい。
俺が主に知る生物の歴史とは、今から5億4000万年前の古生代カンブリア紀、「カンブリア爆発」と呼ばれる生命の爆発的進化・多様化が起こり、我々脊椎動物を含む今日の生物の祖先がほとんど出揃う、それ以降の経緯だ。その後昆虫類の時代、魚類の時代、両生類の時代、爬虫類(恐竜)の時代、そして哺乳類の時代を経て我々人類が誕生する。しかしカンブリア紀以前の生物の歴史は、NHKスペシャルなどでもほとんど取り上げられない。その期間が生命の歴史の86%を占めるにも関わらずだ。俺は切に思う。例えばサイエンス番組で、カンブリア爆発以前の生物史も取り上げてほしい。本当の生命のドラマは、劇的な進化の結果ではなく退屈な進化の過程にこそあるのだから。