音楽を常に耳に鳴らし口に奏でること、それは人生における大きな大きな歓びである!! | まきしま日記~イルカは空想家~

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ちゃんと自分にお疲れさま。

俺の人生における大きな後悔の一つは、音楽を手放してしまったことだ。2000年代後半、音楽供給の主流がCDから配信へと変わった。そして俺の周囲のCDショップはバタバタと潰れていった。しかしIT音痴の俺には、音楽をネットでダウンロードするなどという高等スキルなど知る由もなかった。どんなにPCをいじっても、友人に聞いてもその術が分からず、俺は音楽を諦めた。以来、俺の生活には音楽がほとんどない。

さて、もう10年近くも前になろうか。俺はブログに短編小説を書いていた。別に職業作家になりたかった訳でも、ましてやそれだけの才能が自分にあるなどと自惚れていた訳でもない。ただ趣味の延長としてあわよくば賞でも獲り、ささやかながら誇りと自信に変えたかったのだ。そんな勲章にただなんとなく憧れていた。そして慎ましやかに継続は実り、俺はとある出版社主催の小さな文学コンクールで特別賞を受賞することが出来た。冥利は尽き、以来久しく短編小説は書いていない。しかし、俺はこの半生で小説というものを全く読んだことがない。本当に全くだ。ならば俺の中の創作の源流は、綴られた言葉たちは一体どこから来たのだろうか。それは中高大学時代、それこそ何千曲何万曲と聴き込んだ膨大な数のJ-POP曲の胸打つ歌詞の中からだ。

思うに、音楽とは姿をなさざる伴侶である。それは恋人のように優しく寄り添い、友人のように力強く導き、親のように厳しく叱咤してくれる。ならばいかに生活が移ろえども、決して音楽を手放すべきではない。ひと度それを捨ててしまえば、胸の奥の琴線は永久に断ち切られてしまうかも知れないのだ。音楽を常に耳に鳴らし口に奏でること、それは人生における大きな大きな歓びである。