毎年桜の開花とともに、人気アニメの劇場版が続々と公開される。
3/11付オリコン劇場映画ランキング、『映画ドラえもん のび太の月面探査記』が首位に初登場、そのまま6週連続1位を記録。その後4/22付ランキングで『劇場版名探偵コナン 紺青の拳』が初登場首位に輝き、現在2週連続で1位をキープ中。
『映画ドラえもん』、『劇場版名探偵コナン』は昨年実績でそれぞれ興収53.7億円、91.8億円を記録しており(それぞれ2018年邦画3位、2位)、今年も同水準の動員が見込まれる。
その一方で、近年苦戦しているのが『映画クレヨンしんちゃん』だ。4/29付ランキング、『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン-失われたひろし-』が3位に初登場。同シリーズの昨年実績は、興収18.4億円にとどまっている。
思うに、『映画クレヨンしんちゃん』は春公開していては先がない。なぜなら春休みからGWにかけては、『映画ドラえもん』と『劇場版名探偵コナン』にごっそり客層を持っていかれるからである。
しかし、となるといつ公開するかだ。夏は7月公開の『劇場版ポケットモンスター』(昨年実績30.9億円)、冬に目をやると12月公開の『映画妖怪ウォッチ』(昨年実績20.4億円)がどっしりと鎮座している。
つまり春休み、GW、夏休み、冬休みそれぞれに『ドラえもん』、『名探偵コナン』、『ポケットモンスター』、『妖怪ウォッチ』の4大勢力が根を張り、『クレヨンしんちゃん』の立ち入る隙がないのだ。
ならば、『映画クレヨンしんちゃん』の新天地はどこにもないのか。否、そんなことはない。それは8月、お盆シーズンだ。
夏休みは実に1月半の長きに及ぶ。8月中旬に公開を遅らせれば、7月公開の『劇場版ポケットモンスター』と客層を取り合うこともない。さらに子供の親にしてみたらちょうどお盆休み。休みが取りやすい上に、子供に家族旅行をせがまれるよりも遥かに時短で安上がりだ。
『映画クレヨンしんちゃん』は8月、お盆シーズン公開に活路を見出すべし。「お盆は家族でクレヨンしんちゃん」、なんて素敵なキャッチだろうか。