先日YouTubeを閲覧していたところ、「日本は世界で何番目に賢い?」と題された動画が目に飛び込んで来た。そこでは各国の平均IQランキングが示されていたのだが(ソースは一切不明である)、これがあまりにもツッコミ所満載であったので、軽く憤怒交じりに紹介したい。
1位 シンガポール IQ108
2位 韓国 IQ106
3位 中国 IQ105
4位 日本 IQ105
5位 オランダ IQ102
6位 カナダ IQ101
7位 ドイツ IQ100
8位 イギリス IQ100
9位 オーストラリア IQ99
10位 アメリカ IQ98
11位 スペイン IQ97
12位 イタリア IQ97
13位 ポルトガル IQ95
14位 マレーシア IQ93
15位 フィリピン IQ86
16位 インドネシア IQ84
17位 インド IQ82
18位 サウジアラビア IQ81
19位 南アフリカ IQ70
一目見るや早くも胡散臭さが充満してきたところではあるかと思うが、以下個人的な疑問点を述べていく。
(1)まずIQ値の統計方法の問題だ。ある母集団から正確な統計結果を得るためには、相当数の無作為抽出による試験実施対象を募らなくてはならない(例えば母集団が日本国民1憶2000万人であるなら実施対象は1500人以上)。つまり任意受験者(自ら進んで検査を受けた人)の平均値をとっても全く意味を為さないのだ。
(2)次にIQ値の測定方法の問題だ。以前ブログで述べた通り、俺はウェクスラー式知能検査を受けたことがあるのだが(結果はIQ114であった)、少なくとも同検査によるならば「言語理解」という項目が存在するため、原理上多言語圏間での比較は不可能である。
(3)さらに言うならば、一国の国民の平均IQが70である訳がない。日本の医療機関では原則としてIQ70未満の人は知的障害の可能性があると診断され、療育手帳の交付対象となる(ただし法令上の一般的な知的障害の定義は存在しない)。
そもそも「極東アジア>欧米>東南アジア>アフリカ」という構図に、作画主の人種偏見の意図がモロ見えしていると俺は思うのだが、皆さんはいかが感じただろうか。