俺はサッカーが下手だ。
いや、こう言うといささか語弊がある。中高時代の体育、俺は素人相手にはそこそこ活躍出来た。しかし俺は小学校時代に少年サッカーチームに所属していた。経験者としては絶望的に下手だと言うことだ。
小学生の頃、俺は規格外に体がでかかった。小6の時には身長は164cm、体重は64kgであったと記憶する。少年サッカーにおいては、体がでかいヤツはセンターバックに回されるのが常である。
そして俺が教わったのが、体当たりで相手選手を吹っ飛ばすこととルーズボールを大きくクリアすることだけだ。そりゃあテクニックゼロに決まっている。
さて高校時代の体育。俺は身長は今と変わらず177cm、垂直跳びは72cm。つまり周囲に比べて「高さ」には圧倒的なアドバンテージがあった。
そしてつくづく思った。「少年チームや中高体育レベルのサッカーにおいて空中戦など皆無。しかしバスケにおいては高さそれ自体が武器になる。どうせなら小学時代、少年サッカーではなく少年バスケをやっておけば良かった」。
しかし冷静に考えるに、もし俺が少年バスケチームに所属していたら任されるのは間違いなくセンター。体を張ったポストプレーばかり叩き込まれ、ドリブルやシュートといったテクニックはやはり教えてはもらえなかったであろう。
つまるところ生涯スポーツを確立するために、俺の少年時代の巨躯はとんだ足かせだったのである。