現代21世紀は科学の時代である。インターネット、スマートフォン、AIなど科学の発展によって我々が受ける恩恵は計り知れない。
しかしながら俺は思うのだ。このままとめどなく科学が進展していった時、我々を待っているのは輝かしい理想の未来か、それとも絶望的な人類の破綻なのだろうか。
「科学文明の脅威」、それを今から半世紀以上も前に訴えたのが漫画家・手塚治虫である。
手塚氏は『火の鳥』や『ロストワールド』、『メトロポリス』、『来るべき未来』などの作品の中で、行き過ぎた科学文明によって人間が良識や人間性を喪失し、ついにはその存在の尊厳までもが蹂躙されていく様を切々と描いている。
果たして人類は、皮肉にも自らの科学文明の発展によって破滅の道へ進むしかないのだろうか。その答えは漫画家・藤子・F・不二雄の作品の中に示されているように思える。
藤子F氏は人気作『ドラえもん』や『T・Pぼん』などの作品において、科学の万能性を否定した上で、それでも誤りながらも歩み続け正しい道を模索していく「人類の可能性」を希望を込めて描いている。
◆日本を代表する漫画家といえば?
(「gooランキング」より)
1位 手塚治虫 (代表作/鉄腕アトム) 10751票
2位 藤子・F・不二雄 (ドラえもん) 4715票
3位 鳥山明 (ドラゴンボール) 3704票
4位 尾田栄一郎 (ONE PIECE) 2212票
5位 藤子不二雄A (笑ゥせぇるすまん) 833票
6位 井上雄彦 (SLAM DUNK) 610票
7位 松本零士 (銀河鉄道999) 517票
8位 あだち充 (タッチ) 506票
9位 青山剛昌 (名探偵コナン) 457票
10位 赤塚不二夫 (天才バカボン) 443票 ※以下略
藤子F氏は手塚氏を生涯最大の師と呼んで心から慕い尊敬し、手塚氏もまた藤子F氏の才能を誰よりも愛し厚遇した。
両巨匠が亡くなって幾年、今になり俺は思う。手塚治虫という偉大な師が全人類に投げかけた問いに、藤子・F・不二雄はその生涯をかけて答えようとしたのではないか。