例えば名前を書き忘れるか、あるいは白紙提出でもしない限り、テストで0点を獲るのはかなり難しいことではないか。それがのび太のように、小学校のテストであるならば猶更だ。事実記憶する限り、俺は小学時代にテストで80点以下を獲ったことがない。
そんな俺が人生最低点数を記録したのは、高校3年の古文のテストである。理系を選択した俺にとって、古文など捨て教科もいいところだ。なんで授業があるのかも分からない。よって俺は古文の時間は受験勉強に備えて居眠りするか、もしくは内職(授業を聞いているふりをしてこっそり他教科の勉強をすること)ばかりしていた。そして1学期の定期試験、俺が叩き出したクラス最低点数が2点だ。10点満点ではない、100点満点の2点である。「おお、世の中にこんな点数があったのか」、俺は思わず我ながら感心してしまった。
さて、人は異口同音にこう言う。「学校の勉強など社会では何の役にも立たない」。それについては概ね同意だが、趣味となれば話が変わってくる。例えばブログに文章を書くには国語力を要するし、サイエンス系の番組を観る際には数学、物理が理解の助けになる。しかし古文だけは全く使いようがない。日常のどの瞬間を切り取っても、そこに古文が介入する余地など1ミリもない。やはり大学受験とは関係なく、俺の取捨選択は間違っていなかったようだ。