AbemaTVなるインターネットテレビ配信サービスがある。そこはさながら芸能界の流刑地だ。みのもんた、矢口真里、亀田興毅、キングコング西野など、何らかの不祥事あるいは不人気で地上波を追われたタレントたちが、地下の地下の地下番組にひっそりと出演している。
そして今、元SMAPの稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾がこのAbemaTVで人知れず活動しているのだ。
先月16日、安室奈美恵引退。それはもう大々的で華々しいものであった。各メディアがこぞって安室を取り上げ、各局で特別番組が組まれ、まさに稀代の歌姫の幕引きに相応しい盛り上がり方であった。
しかし俺はどうしても違和感を禁じ得なかった。それは一昨年に解散したSMAPの件である。無論、安室も平成を代表するスーパースターであることに間違いはない。しかしコンテンツとして、安室奈美恵よりもSMAPの方が遥かに大きかったはずだ。
けれど拍手喝采で送り出された安室とは対照的に、メディアにほとんど取り上げられず、ラスト紅白も飾れずにひっそりと解散したSMAP。この両極端な扱いの差は一体なぜだったのだろうか。
簡単な推測だ、ジャニーズ事務所の圧力であろう。ジャニーズ事務所は吉本興業を凌ぐ芸能界最大勢力である。そのジャニーズ事務所が各局や各メディアにSMAPに関する特集や報道の箝口令を敷き、”裏切者”SMAPの花道を握り潰したのだ。
元SMAP各メンバーのうち、残留派であった木村拓哉は事務所内で特別待遇、また中居正広は移籍派ながらもすでにバラエティに深く根を張り潰すこと叶わず、結局ジャニーズ事務所によって地上波から抹消されたのが、グループ内で人気弱者であった稲垣、草彅、香取だったのだろう。
さて先日AbemaTVで、稲垣、草彅、香取の3人がゲスの極み乙女。とコラボLIVEをしていた。俺は涙が出てきたよ…これがあの芸能界を席巻したSMAPの成れの果ての姿なのか。