実家を出て一人暮らしを始めて6年ほど。家事全般を自分でするようになってから、どうしても不思議に思うようになったことがある。
「なぜ洗濯物は室内より屋外に干した方が早く乾くのか?」
それが夏場であれば、何の疑問も抱かない。エアコンの利いた室内は25℃~30℃、対して外は40℃超。そりゃ屋外の方が早く乾くに決まっている。
けれど冬場、暖房が聞いた室内より明らかに寒くても、それでもやはり屋外の方が早く洗濯物が乾くのである。これは一体なぜであろうか。
しかし少し考えればそれは簡単なことであった。あくまで俺の憶測であるが、その原因は「風」である。
屋外は常に風が吹いている。それがたとえ体感出来ぬほどの微風であれ、大気が対流している以上、完全な無風状態はあり得ない。
洗濯物に付着した水分子を熱で気化させるより、風で吹き飛ばす方が遥かに容易いではないか。それが屋外の方が早く乾く理由である。
さて、俺は洗濯物は全て部屋干しである。生乾きの匂いが気にならないと言えば嘘になる。けれどそれでも洗濯物を外に干そうとは思わない。
別に下着を外に干して誰かに見られたくないという、女子のように繊細な羞恥心や警戒心は持ち合わせていない。
ただ洗濯物を含めて、自分の生活臭全般を衆目に晒したくないのだ。俺ん家の玄関はパンドラの箱、家の中では結構な変人なので。