誰もが未だ記憶に新しいのではないか。2005年、アニメ『ドラえもん』スタッフ・キャスト一斉交代。長年耳に慣れ親しんできたドラえもんの声が変わるのだ。当時ドラえもんの声優交代は大きな波紋と議論を呼び、そしてある人たちは『ドラえもん』から離れていった。
もっとも『ドラえもん』リニューアルの影響は、声優陣交代以上にスタッフや作風の一変によるところが大きい。しかしドラえもんの声が変わったことで、作品の印象が一新したのもまた事実だ。大山のぶ代氏のドラえもんと水田わさび氏のドラえもん、何が大きく変わったのか。ここでは「ドラえもんとのび太の関係性」という観点から見ていきたい。
(1)大山ドラえもんはどっしりとした安定感のある演技が特徴的だ。氏の声は「頼もしいドラえもん」を生み出した。そしてドラえもんはのび太の救済役、もしくは守護役ともいうべき存在であった。その背景として、当初ドラえもんの最たる役目がジャイアンの乱暴やスネ夫の意地悪からのび太を護ることだったのだろう。
(2)一方、水田ドラえもんはポップでコミカルな演技が特徴的である。氏の声は「お茶目なドラえもん」を生み出した。そしてジャイアン、スネ夫がやや丸くなったことも相まって、ドラえもんはのび太の遊び相手、また時に悪戯仲間としての色合いが濃くなっている。
◆全国100人に聞いた
終わってほしくない長寿番組ランキング
(「リサーチプラス」より・複数回答)
1位 笑点 (日テレ) 35票
2位 サザエさん (フジ) 32票
3位 ドラえもん (テレ朝) 24票
4位 世界ふしぎ発見! (TBS) 22票
5位 ザ!鉄腕!DASH!! (日テレ) 19票
6位 踊る!さんま御殿 (日テレ) 17票
7位 タモリ倶楽部 (テレ朝) 13票
8位 名探偵コナン (日テレ) 12票
9位 ビートたけしのTVタックル (テレ朝) 11票
9位 それいけ!アンパンマン (日テレ) 11票
9位 ちびまる子ちゃん (フジ) 11票 ※以下略
もちろん大山ドラえもんは偉大である。氏はアニメ『ドラえもん』成功の立役者と言って良い。しかし水田ドラえもんもまた実に個性的で魅力的だ。何より共に演者として、「ドラえもんはのび太の最大の理解者であり無二の親友」という大指針に則しているのだから。