『SLAM DUNK』といえば、今の若い人でも名前くらいは知っているのではないか。90年代に週刊少年ジャンプで一大センセーションを巻き起こした、バスケ漫画の金字塔である。今日日本において、バスケが野球、サッカーに次ぐメジャースポーツとなったのは、間違いなくこの『SLAM DUNK』の影響である。
さて、こんなことを言ったらスラダンファンの人たちに怒られてしまうかも知れないが、俺はあえて主張する。「宮城、三井は湘北高校に必要なかった」。もちろん両者とも魅力的なプレイヤーであるが、彼らはライバル校のキープレイヤーとして登場させるべきだった。湘北高校は赤木、流川、桜木だけで十分、なぜならそうしないと各校のパワーバランスが悪すぎるからだ。
湘北高校のスタメンを見てみると、ゴール下のキングコング赤木、オフェンスの鬼流川、県内で5指に入るガード宮城、中学MVPシューター三井、そしてリバウンド王桜木。5人が5人とも県内トッププレイヤー。こんなのチートもチート、これで勝てない方がおかしい。それこそ安西監督の手腕を疑ってしまう。
一方、ライバル校はどうであろうか。エース仙道に2mセンター魚住、そしてスコアラー福田が加わった陵南高校はまだだいぶマシ。翔陽高校はエースガード藤真と190cm台のモブが4人、そして海南大付属高校に至っては県内No.1プレイヤー牧の他に一体誰がいる、ただのにぎやかしの1年清田くらいではないか。個々の力で湘北高校に匹敵するのは、せいぜい後の全国大会編の山王工業高校くらいである。
そして最も悲惨なのが、武里高校である。決勝リーグに一体何しに来たのか、噛ませ犬にすらなっていないボコ負けっぷりに見てて涙が出そうになる。俺はこの武里高校にこそ、宮城、三井を召喚させるべきだったと思う。そうすれば決勝リーグは、きちんと四つ巴でより白熱した展開になったことだろう。