最近YouTubeで、専らNBAのプレイ集を観ている。理由は純粋にかっこいいからだ。中でもダンクシュートやブロック、リバウンドなど、リング付近の空中戦は大迫力である。そして思う、「俺はサッカーよりバスケの方が向いていたかもな」。
俺は運動神経が悪い。いや悪くはないかも知れないが、まさしく中の中である。唯一小学校時代に少年チームでやっていたサッカーは比較的得意であるが、それもたかが知れている。せいぜい中高時代の体育で活躍出来る程度、決してそれ以上ではない。
けれど俺には自慢できることが一つだけある。それは「高さ」だ。高校時代、俺の身長は今と変わらず177cm、そして垂直跳びは72cm。跳べばダンクとまではいかないがリングに触れることが出来た。「空中戦が物を言うバスケであれば、ただ人より高く跳ぶだけで、それは物凄い武器になっていたのではないか」。
しかし俺は大きな見落としをしていた。リング付近での空中戦はあくまでNBAでの話。試しに日本のプロリーグの試合を観てみたところ、試合中のダンクなど稀も稀。ドリブル、パス、レイアップにジャンプシュートなど、それらは全て平面上の攻防であり、日本のバスケには空中戦という概念自体が存在しないのだ。
俺は思い直した。「俺の唯一の利点、高さが平面上の攻防では全く役に立たない。これじゃあバスケをやってたとしても恐らくサッカーと同じで鳴かず飛ばず。だったら陸上部に入って走り高跳びでもやれば良かったな」。